本と絵画とリベラルアーツ

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本の紹介

【チェスとからくり人形】小川洋子『猫を抱いて像と泳ぐ』

オススメ度:★★★★☆ 慌てるな、坊や。慌てるな、坊や。(p.252) 小川洋子『猫を抱いて像と泳ぐ』 あらすじ "大きくなること、それは悲劇である" 唇と唇がくっついたまま寡黙な生まれた少年は、トラウマから大きくなることを忌避し、十一歳の身体のまま成長を止…

【デビュー作】瀬尾まいこ『卵の緒』

オススメ度:★★★★★ 「肉豆腐で飛んできちゃうんだから、好きなんだろう」(p.40) 瀬尾まいこ『卵の緒』 感想 どうやったらこんなに心がほっとする文章が書けるようになるのだろう。 瀬尾まいこの小説は優しく、温かい。落ち込んだ心にもすっと入ってきて、湯…

【フォースと共にあれ】ダニエル・ゴールマン『EQリーダーシップ』

オススメ度:★★★★☆ 優れたリーダーは、人の心を動かす。優れたリーダーは人の情熱に火をつけ、最高の力を引き出す。(中略)優れたリーダーシップは、感情のレベルに働きかけるものなのだ。(p.18) ダニエル・ゴールマン『EQリーダーシップ』 本書のエッセンス…

藤江直人『「立石諒」追い抜く力』

オススメ度:★★★☆☆ この銅メダルには本当に満足している。僕はロンドンで最高のレース、最高の泳ぎができたとおもっている。(p.18) 藤江直人『「立石諒」追い抜く力』 感想 夏季五輪のなかでも水泳は花形競技のひとつだ。 とくに2004年のアテナ五輪でみせた…

【数学読みもの】ホワイトヘッド『数学入門』

オススメ度:★★★★☆ ホワイトヘッド『数学入門』 美術館と数学読みものの共通点 先日、丸の内にある三菱一号館美術館で開催されていた「アール・デコとモード」展へ行った。 普段だと美術館を訪れる目的はもっぱら西洋絵画が多いけれど、今年はなぜかいろいろ…

【闘争か協調か】山極寿一『ゴリラの森で考える』

オススメ度:★★★★★ 森の中の暮らしのように小さい変化をいくつも感じ取りながら、大きな安定に存在するという安心感こそが、人間には必要なのである。(p.137) 山極寿一『ゴリラの森で考える』 あらすじ 人間の本性は、闘争か協調か。 ゴリラ研究の第一人者で…

【本の紹介】記事にしなかった本たち(2025年下半期)

今年は多く本を読んだけれど、あまり振り返る時間が取れなかった。読んだ本も読み返さなければ記憶の奥底の澱になって忘れ去られてしまう。 本を読み返す習慣をつけるためには、やはりきれいな本棚を持っていることが重要かと思う。何の本を読んだかをぱっと…

【成瀬完結】宮島未奈『成瀬は都を駆け抜ける』

オススメ度:★★★★★ 「そういう子なので」(p.144) 宮島未奈『成瀬は都を駆け抜ける』 あらすじ 京都大学に合格した坪井さくらは、その年の同級生のうち京都大学に合格したのが自分一人だと知り愕然とする。 一緒に京都大学に進学できると思っていた、自分より…

【本屋大賞】瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

オススメ度:★★★★★★ 会うべき人に出会えるのが幸せなのは、夫婦や恋人だけじゃない。この曲を聴くと、それがよくわかる。(p.250) 瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』 あらすじ 親の都合により、高校卒業までに苗字が3回変わり家族の形が7回変わってきた…

【心と自然】レイチェル・カーソン『センス・オブ・ワンダー』

オススメ度:★★★★★ まるで果てしない宇宙空間に思考が解き放たれ、駆けめぐっていくかのような経験。こうした経験は、星の名前を一つも知らなくても、子どもと分かち合うことができます。美を深く味わい、いま見ているものの意味に思いをめぐらせてみるため…

【ドキリとする小説】辻村深月『傲慢と善良』【ネタバレ注意】

オススメ度:★★★★★ 誰かに話を聞いてほしかった。慰めてほしかった。架くんとその女友達をひどいと言って、一緒に怒ってほしかった。(p.354) 辻村深月『傲慢と善良』 本書のエッセンス・「ドキリ」とさせられる小説・緻密な人物描写が秀逸 あらすじ 結婚披露…

【現実と空想のあいだ】芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』

オススメ度:★★★★☆ 芥川龍之介『蜘蛛の糸・杜子春』 本書のエッセンス・芥川の児童文学短編集・現実とファンタジーの間を楽しめる あらすじ 御釈迦様がご慈悲でたらした一筋の蜘蛛の糸にすがりつくカンダタと群がる無数の罪人らを通してエゴイズムをえがいた…

【プロレタリア文学】小林多喜二『蟹工船・党生活者』

オススメ度:★★★★★ 「おい、地獄さ行ぐんだで!」(p.8) 小林多喜二『蟹工船・党生活者』 本書のエッセンス・迫力ある地獄の描写・生々しいむき出しの資本主義が感じられる あらすじ<蟹工船> 漁船であり、工場でありそしてそのどちらの規制からも掻い潜ったド…

【本を読む楽しみを取り戻せる随筆】幸田文『木』

オススメ度:★★★★☆ 杉は全身の翠に水滴を飾り、夕陽は水滴を飾ってダイヤモンドにしていた。(p.156) 幸田文『木』 本書のエッセンス・読書の楽しみを再発見できる・「木」というテーマが新鮮で面白い・見えているようで何も見えていないと気付かされる 感想 …

【仕事を楽しむ極意】川村隆『ザ・ラストマン』

オススメ度:★★★★☆ 「自分の後ろには、もう誰もいない」と思ってみる 川村隆『ザ・ラストマン』 本書のエッセンス・責任を負えば当事者意識が湧き、仕事が面白くなる・修羅場体験で人は「覚醒」する・山より大きいイノシシは出ない、悩むより行動すべし 感想…

【座右の書】神谷美恵子『生きがいについて』

オススメ度:★★★★★★ 自己に対するごまかしこそ生きがい感を何よりも損なうものである。(p.40) 神谷美恵子『生きがいについて』 本書のエッセンス・未来を向いているとき「生きがい」を感じられる・目標達成は本質的には目的ではない・自己に対するごまかしが…

【本の紹介】記事にしなかった本たち(2025年上半期)

記事にしなかった本たち(2025年上半期) 本を読んだ時にどれくらい豊かな感想を持てるかは、本の内容と自分自身の精神状態によって左右される。 面白かったり気が上向いているときにはとめどなく感想があふれてくるし、あまり刺さらなかったり気が乗っていな…

【スピーチの極意】原田マハ『本日は、お日柄もよく』

オススメ度:★★★☆☆ 不思議なことに、そのあとは、もう立ち止まらなかった。(p.95) 原田マハ『本日は、お日柄もよく』 本書のエッセンス・スピーチの極意・女性の王道サクセスストーリー あらすじ 老舗製菓メーカー「トウタカ製菓」の普通のOLである二ノ宮こ…

【現代の病魔から脱する】デボラ・ザック『一点集中術』

オススメ度:★★★★★★ 過労と睡眠不足を嘆いてみせることで、自分が必死にやっていることを証明したいのだ(p.190) デボラ・ザック『一点集中術』 本書のエッセンス・目の前のタスクや会議、相手に集中せよ・マルチタスクは単なるタスク・スイッチで非効率・集…

【給料泥棒、社内不倫、労災…】大内伸哉『どこまでやったらクビになるか』

オススメ度:★★★★☆ 『どこまでやったらクビになるか』 本書のエッセンス・大学教授が書いた労働法の本・具体例が面白くわかりやすい・裁判では労働者がつよい 感想 最寄り駅の書店にふと立ち寄った時、平積みで並べられていたある本が目に入った。タイトルは…

【最高のビジネス書】中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』

オススメ度:★★★★★ ラストスパートこそ諸悪の根源です。そのことを絶対に忘れないでください。(p.184) 中島聡『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか』 本書のエッセンス・「ラストスパート志向」が諸悪の根源・集中力の秘訣は「界王拳」・マルチタスクこそ、…

【本の紹介】東松寛文『リーマントラベラー 週末だけで世界一周』

オススメ度:★★★★☆ 日本にいるときはトランジット(p.111) 東松寛文『リーマントラベラー 週末だけで世界一周』 本書のエッセンス・サラリーマンを続けながら世界旅行を楽しんでいる・3連休あればイランに行ける 感想 去年パスポートを数年ぶりに更新してから…

【何気ない幸せの断面】岡本真帆『水上バス浅草行き』

オススメ度:★★★★☆ 水切りの石跳ねていく来世ではあなたのために桃を剥きたい(p.49) 岡本真帆『水上バス浅草行き』 本書のエッセンス・何気ない幸せの断面を切り取った短編集・短い文章から情景が浮かび上がってくる・おだやかなテンポで読める 感想 西日暮…

【第170回芥川賞受賞作】九段理江『東京都同情塔』

オススメ度:★★★★☆ 民主主義に未来を予測する力はない。未来を見ることはできない。私には未来が見える。(p.10) 九段理江『東京都同情塔』 あらすじ 舞台は現代の日本から少しだけ別れたパラレルワールドで近未来。 ザハ・ハディドの新国立競技場が建設され…

【明代の処世術】洪自誠『菜根譚』

オススメ度:★★★★☆ 苦心中、常得悦心之趣、得意時、便生失意之悲(p.95) 洪自誠『菜根譚』 本書のエッセンス・儒教・道教・仏教から生まれた処世術・前集222段・後集134段から成る・対句の特徴を持つ 概要 明末の思想家・洪自誠によって書かれた処世術の本。 …

【本の紹介】J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』

オススメ度:★★★☆☆ それに、僕もいくらか休暇がほしかったし。神経がすり切れちまってたんだもの。ほんとだよ。(p.82) J・D・サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』 あらすじ 単位を落としペンシルヴァニアの高校を退学となったホールデン・コールフィールド…

【芥川賞受賞作品】鈴木結生『ゲーテはすべてをいった』

オススメ度:★★★★☆ それは許されないことだった。今まで統一が学者として積み重ねてきたものを一遍に崩壊させかねないことだ。(p.93) 作者『ゲーテはすべてをいった』 あらすじ 独文学者・博把統一は自身の結婚記念日に娘に招待してもらった食事会で、偶然テ…

【政治からディズニーまで】ラテン屋さん『世界はラテン語でできている』

オススメ度:★★★★☆ ラテン屋さん『世界はラテン語でできている』 本書のエッセンス・ラテン語は知的好奇心を刺激する最高のコンテンツ・ファシズムとファスケス・ディズニーに関するラテン語もたくさん 感想 知的好奇心が刺激されるというのはどういったとき…

【自己効力感を高める休日習慣】越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』

オススメ度:★★★★☆ 良好なコンディションで月曜日の朝を迎えるためには、土日の休日に自己効力感を高めておく必要がある。(p.112) 越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』 本書のエッセンス・休日をつかって自己効力感を高める・休日のために仕…

【本の紹介】町田そのこ『ドヴォルザークに染まるころ』

オススメ度:★★★★☆ 「お義母さん、ほら見て。クロコンドルの巣が焼けてます。だから、大丈夫。行きましょう」(p.171) 町田そのこ『ドヴォルザークに染まるころ』 本書のエッセンス・廃校前の最後の秋祭りが部隊・生々しい母親たちの会話と心情・他人からの印…