本と絵画とリベラルアーツ

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2024-01-01から1年間の記事一覧

【本の紹介】町田そのこ『ドヴォルザークに染まるころ』

オススメ度:★★★★☆ 「お義母さん、ほら見て。クロコンドルの巣が焼けてます。だから、大丈夫。行きましょう」(p.171) 町田そのこ『ドヴォルザークに染まるころ』 本書のエッセンス・廃校前の最後の秋祭りが部隊・生々しい母親たちの会話と心情・他人からの印…

【本の紹介】見城徹『読書という荒野』

オススメ度:★★★☆☆ 読書とは「何が書かれているか」ではなく「自分がどう感じるか」だ(p.5) 見城徹『読書という荒野』 本書のエッセンス・見城徹は"究極のロマンチスト"・読書によって思考するための言葉が得られる・見城と生きた作家たちとの秘話 感想 幻冬…

話を聞いてほしくてエッセイを読む

誰かに話を聞いてほしくてエッセイを読む だれかに話を聞いて欲しいとき、私はエッセイを読む。 書き手は問わない。書店で目のあったエッセイを手に取り、無心で文章を追っていく。 本を読むのに、話を聞いてもらうというのは変な話かもしれない。本は沈黙し…

【本の紹介】千葉雅也『センスの哲学』に全部書いてあった

オススメ度:★★★★★ 「センスがいい」というのは、ちょっとドキッとする言い方だと思うんですよ。(p.10) 千葉雅也『センスの哲学』 本書のエッセンス・「センス」とはリズムである・リズムはアナログ/デジタルの両側面を持つ・リズムは反復と差異から成る あ…

【普通なる人の使命について】角田光代『タラント』

オススメ度:★★★★☆ 挫折したら、そうしたらまた、ちいさな私たちの使命をさがそう。(p.551) 角田光代『タラント』 本書のエッセンス・発展途上国ボランティアにのめりこんだ学生時代のみのり・義足の祖父、不登校の甥、若きパラアスリート・点と点がつながり…

【全ブロガー必見】三宅香帆『「好き」を言語化する技術』

オススメ度:★★★★★ 好きなものを言語化すると、好きでなくなった時に保存された好きだった気持ちに触れられる(p.60) 三宅香帆『「好き」を言語化する技術』 本書のエッセンス・感情を表現する方法がわかる・ポジティブな感情は<共感>or<驚き>から生まれる・…

【無料駐車場はココ】大洗海岸で日の出が見られるおすすめスポット

大洗は関東屈指の日の出人気スポットである。 とはいえ茨城の海岸線は南北に長く、どこで見るか、またどこに車を停車させるのがベストか悩むところである。 この記事では私が実際に訪れてよかった日の出観測スポットと付近の駐車場を紹介している。 おすすめ…

【感想】生まれて初めて日の出を見に行った

私は初めて見る朝日に息を呑んでいた。綺麗なオレンジで、いつも見ている太陽の3倍ほど大きいように感じられた。 生まれて初めて日の出を見に行った 生まれてこの方意識して日の出を拝んだことがなかった。 学生の時から朝に弱く、休みであれ予定がある日で…

【本の紹介】キム・ダスル『人生は気分が10割』

オススメ度:★★☆☆☆ 「カッコいい」かどうかを基準に生きる(p.42) キム・ダスル『人生は気分が10割』 本書のエッセンス・HSP向けの本・「カッコいいか」を基準に生きる・日本も韓国も悩みは同じ HSP向けの本 韓国で有名なエッセイスト キム・ダスルによる、現…

『インサイド・ヘッド』は全世代向け笑って泣ける映画

オススメ度:★★★★★ 悪いけどライリーのことを幸せにしたいの 『インサイド・ヘッド』 本書のエッセンス・話の組み立て方が天才・単純な笑いからシリアスなユーモアまで・ヨロコビの人格設定が秀逸 あらすじ 人々の頭の中には様々な感情が共存している。 喜び…

【本の紹介】マルクス・ガブリエル『わかりあえない他者と生きる』【完全平等は可能か】

オススメ度:★★★☆☆ 私たちの社会で分極化が進んだのは偶然ではありません。相手を見て、においをかいで、触れていないからです。(p.76) マルクス・ガブリエル『わかりあえない他者と生きる』 本書のエッセンス・自国民と移民の完全平等は可能か?・相互理解…

疲れた大人が『インサイド・ヘッド2』でボロ泣きしてきた

オススメ度:★★★★★ 『インサイド・ヘッド2』 本作のエッセンス・自分の中の抑圧された感情に優しくなれる・思春期表現が秀逸・脳内事象の具現化がうまい あらすじ 高校入学を控える少女ライリー。彼女の頭の中には人格を持った5つの感情がおり、ヨロコビ、カ…

【マニラ2泊突発旅行 #4】マニラ一人旅はいくらかかるか

2024年8月、フランスではパリ五輪が開催され、日本では南海トラフのリスクが叫ばれる中、私は単身マニラにいた。 ひしゃげたジプニーがクラクションを絶え間なく鳴らし、夜には痩せた野犬が跋扈するマニラで私が見てきたものを4回に分けてご紹介する第4弾。 …

【マニラ2泊突発旅行 #3】LAカフェの実態【2024/08】

2024年8月、フランスではパリ五輪が開催され、日本では南海トラフのリスクが叫ばれる中、私は単身マニラにいた。 ひしゃげたジプニーがクラクションを絶え間なく鳴らし、夜には痩せた野犬が跋扈するマニラで私が見てきたものを4回に分けてご紹介する第3弾。 …

【マニラ2泊突発旅行 #2】 スラムとカジノのはざまで

2024年8月、フランスではパリ五輪が開催され、日本では南海トラフのリスクが叫ばれる中、私は単身マニラにいた。 ひしゃげたジプニーがクラクションを絶え間なく鳴らし、夜には痩せた野犬が跋扈するマニラで私が見てきたものを4回に分けてご紹介する第2弾。 …

【マニラ2泊突発旅行 #1】 ぼったくりイントラムロス

2024年8月、フランスではパリ五輪が開催され、日本では南海トラフのリスクが叫ばれる中、私は単身マニラにいた。 ひしゃげたジプニーがクラクションを絶え間なく鳴らし、夜には痩せた野犬が跋扈するマニラで私が見てきたものを4回に分けてご紹介する第1弾。 …

【新潮文庫の100冊】西加奈子『白いしるし』【あらすじ・感想】

オススメ度:★★★☆☆ そのダメージのたびに、私は体重を失い、動けなくなった。十代の頃のように、その土地から逃れることはしなかったが、魂が体から抜け、アフリカやヨーロッパや南極まで容易に飛んでいった。(p.22) 西加奈子『白いしるし』 本書のエッセン…

【オススメ】中村航『星に願いを、月に祈りを』【あらすじ・感想】

オススメ度:★★★★★ 〝いいかい? 君はいつの日か、君が本当に届けたい人に、本当に届けたい何かを届けるんだ〟 中村航『星に願いを、月に祈りを』 本書のエッセンス・青春夏小説・村上春樹:角田光代 = 2:8・夢と現実が同時にあるような読書体験 あらすじ …

【新潮文庫の100冊】角田光代『さがしもの』【あらすじ・感想】

オススメ度:★★★☆☆ 本を読まない人を好きなの?(p.73) 角田光代『さがしもの』 本書のエッセンス・本にまつわる短編集・本とのかかわりは人それぞれ・気軽な気持ちで楽しんで最後まで読める あらすじ 古本屋に持ち込むと「あんたこれ売っちゃうの?」と訊か…

【芥川賞受賞作】西村賢太『苦役列車』【あらすじ・感想】

オススメ度:★★★★★ 西村賢太『苦役列車』 本書のエッセンス・不条理な階級による差異が浮き彫りになっている・身体性を帯びた迫力ある文章 あらすじ 中学を卒業するとそのまま家を出て、19歳になる今日まで東京で日雇い労働者として生きる北町貫多。 プライ…

【青春小説の傑作】氷室冴子『海がきこえる』【感想】

オススメ度:★★★★☆ 「拓ってへんな人ね。どうして、そんなつまらんないこと知ってるの」(Ⅱp.308) 氷室冴子『海がきこえる』 本書のエッセンス・最高の青春小説・ワガママな里伽子が魅力的 鈴木敏夫とジブリ展にて 先日、横須賀美術館で開催されていた「鈴木…

【人生の最大化を目指す】ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』

オススメ度:★★★★☆ 豊かになっているはずの将来の自分のために、若く貧乏な今の自分から金をむしり取っていた。(p.27) ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』 本書のエッセンス・キリギリス型から脱却し人生の最大化を目指せ・人生の最後に残るのは「思い出」だ…

【映画の紹介】天才青年が人とのつながりを取り戻す話『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』

オススメ度:★★★★★ 『グッド・ウィル・ハンティング』 本書のエッセンス・才能では人は幸せになれない あらすじ 青年ウィルはMITの清掃員として働きながら、素行の悪い友人たちとつるみ、時に警察の世話になるような生活を送っていた。 ある日ウィルは廊下に…

【本好きならきっと共感できる】島田潤一郎『長い読書』

オススメ度:★★★★★ でも若い僕にとっては、文体こそがすべてだった。(p.69) 島田潤一郎『長い読書』 本書のエッセンス・読書好きの気持ちが見事に言語化されている・小説はつくり話だとバレてはいけない・好み過ぎる文体 感想 みすず書房といえば人文学書の…

【成瀬が帰ってきた】宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』

オススメ度:★★★★☆ 「わたし以上の適任者はいないと思ったからだ」(p.114) 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』 本書のエッセンス・成瀬のカリスマで周囲が変わっていく話・前作同様、爽快さを感じられる読み味 あらすじ 北川みらいはときめき小学校に通う4年…

【本屋大賞受賞作】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』【最高の夏小説】

オススメ度:★★★★☆ 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」(p.6) 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』 本書のエッセンス・『キケン』を彷彿とさせる青春夏小説・真っ直ぐな異端児・成瀬を内と外から描いている・全編通して爽やかな読み味 あらすじ …

【言語習得という神秘】今井むつみ・秋田喜美『言葉の本質』

オススメ度:★★★★★ 今井むつみ・秋田喜美『言葉の本質』 本書のエッセンス・分かるということは、間接的に身体的経験しているということ・子どもは仮説形成推論によって爆発的な言語習得を行っている・ヒトだけが対称性推論を持ち、言語を手に入れた 言語の…

【インプットと試行が天才を生む】菅付雅信『天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』

オススメ度:★★★★☆ 良い課題提出ができる人は、課題が与えられる前から、すでに何かしらその領域ないしはそのクリエイターについて何度も考えている。普段から、日常的に。(p.40) 菅付雅信『天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。』 本書のエッセンス…

【競争は幸せか】ちきりん『ゆるく考えよう』

オススメ度:★★★☆☆ 「自分の失敗なんか、自分以外で覚えている人はいない。だから自分が忘れたらそれで終わりだよ」(p.231) ちきりん『ゆるく考えよう』 本書のエッセンス・常識や通念を特別視せず、フラットに考える・自分の感覚が一番大切・表現方法は言葉…

【本の紹介】竹内薫『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』

オススメ度:★★★★☆ フィードバックがないと人はバカになる(p.96) 竹内薫『自分はバカかもしれないと思ったときに読む本』 本書のエッセンス・バカだと思われているとバカに育つ・フィードバックを受けないとバカになっていく 感想 仕事量と責任の負荷に負け…