本と絵画とリベラルアーツ

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2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧

【青春小説の傑作】氷室冴子『海がきこえる』【感想】

オススメ度:★★★★☆ 「拓ってへんな人ね。どうして、そんなつまらんないこと知ってるの」(Ⅱp.308) 氷室冴子『海がきこえる』 本書のエッセンス・最高の青春小説・ワガママな里伽子が魅力的 鈴木敏夫とジブリ展にて 先日、横須賀美術館で開催されていた「鈴木…

【人生の最大化を目指す】ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』

オススメ度:★★★★☆ 豊かになっているはずの将来の自分のために、若く貧乏な今の自分から金をむしり取っていた。(p.27) ビル・パーキンス『DIE WITH ZERO』 本書のエッセンス・キリギリス型から脱却し人生の最大化を目指せ・人生の最後に残るのは「思い出」だ…

【映画の紹介】天才青年が人とのつながりを取り戻す話『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』

オススメ度:★★★★★ 『グッド・ウィル・ハンティング』 本書のエッセンス・才能では人は幸せになれない あらすじ 青年ウィルはMITの清掃員として働きながら、素行の悪い友人たちとつるみ、時に警察の世話になるような生活を送っていた。 ある日ウィルは廊下に…

【本好きならきっと共感できる】島田潤一郎『長い読書』

オススメ度:★★★★★ でも若い僕にとっては、文体こそがすべてだった。(p.69) 島田潤一郎『長い読書』 本書のエッセンス・読書好きの気持ちが見事に言語化されている・小説はつくり話だとバレてはいけない・好み過ぎる文体 感想 みすず書房といえば人文学書の…

【成瀬が帰ってきた】宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』

オススメ度:★★★★☆ 「わたし以上の適任者はいないと思ったからだ」(p.114) 宮島未奈『成瀬は信じた道をいく』 本書のエッセンス・成瀬のカリスマで周囲が変わっていく話・前作同様、爽快さを感じられる読み味 あらすじ 北川みらいはときめき小学校に通う4年…

【本屋大賞受賞作】宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』【最高の夏小説】

オススメ度:★★★★☆ 「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」(p.6) 宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』 本書のエッセンス・『キケン』を彷彿とさせる青春夏小説・真っ直ぐな異端児・成瀬を内と外から描いている・全編通して爽やかな読み味 あらすじ …