本と絵画とリベラルアーツ

本と絵画を通じて教養を身につけるブログ

【本の紹介】窪美澄『ふがいない僕は空を見た』

オススメ度:★★★★☆

出てくる人物はみな"弱さ"を持った人間ばかりです。そんな中で生きようとする姿勢に感動しました。

 

この本をオススメしたい人

・自分が好きじゃない人

 

窪美澄『ふがいない僕は空を見た』

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

ふがいない僕は空を見た (新潮文庫)

 

 著者:窪美澄(1965〜)
2009年「ミクマリ」でR-18文学賞大賞を受賞。2011年「ミクマリ」を収録した『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞受賞。

 

 

あらすじ

高校生の斉藤くんは、助産院を営む母親と二人で暮らしている。彼は週に何度かあんずという年上の主婦のマンションに通い、セックスをしている。あんずとのセックスにコンドーム は使わない。彼女は妊娠しない体だという。コミケで出会った彼女はいつも斉藤くんにアニメの衣装を着せ写真を撮り、行為が終わるとお金を渡した。

この奇妙な関係を断ち切った斉藤くんだったが、偶然ベビー用品売り場であんずと出くわし気持ちが揺れ動く。気持ちが抑えられなくなった彼は再びあんずのマンションを訪れて…



感想

この本は「ミクマリ」ははじめとする5つの話から成っています。同じ世界の中であるときは脇役だった人が別の話では主人公として登場し、別の一面を見ることができます。

この話の登場人物はだれもかれも弱い人たちばかりです。一見強く生きているように見える人でも、別の視点から見るとひどく脆く危うい存在だということがわかります。それは人間が普遍的に持つ特徴であり、その弱さに時に押しつぶされそうになりながらも生きていくところに人間の強さがあるのだと感じました。