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【本の紹介】水野敬也『夢をかなえるゾウ』【あらすじ・感想】

オススメ度:★★★★☆

変わりたいと思っているだけで何も変わらない普通のサラリーマンが主人公(あなた)。

すぐに楽したいと考えるサラリーマンにガネーシャが課題を出し、2人の対話形式でその本質が語られいきます。ガネーシャが偉人を懐かしい友人として紹介するのが笑えます。(例や引用として出てくる)

 

この本をオススメしたい人

・自己啓発本を読んだが変われない人

 

あらすじ

「おい、起きろや」

二日酔いの主人公が目を覚ますと、枕元に見慣れない"ゾウ"が座っていた。この奇妙な関西弁を話すゾウは自分をガネーシャと名乗り、主人公を変えるために来たという。

主人公は自己啓発本を買うような、変わりたいと思いながら変わらないしがないサラリーマン。ガネーシャは主人公に毎日一つずつ課題を出していく。主人公であり読者である我々は、主人公と同じように毎日この課題に取り組んでいくことになる。

 

 

実際の課題

ガネーシャから出される課題は日々の課題24コと、「最後の課題」と呼ばれる成長するために最も重要な課題5コから成っています。ここではそのうち面白いなと思ったものと、そこからの学びををいくつか紹介します。

 

・靴を磨く

成功しないための一番重要なの要素は「人の話を聞かないこと」

 

・コンビニでお釣りを募金する

お金とは、人を喜ばせて幸せにした分だけ貰うもの

 

・人が欲しがっているものを先取りする

ビジネスとは、他人の欲を満たしてその対価としてお金をもらうこと。

 

・トイレ掃除をする

金持ちのトイレはみんなピッカピカ。

自分の好きなことをやるのも大事だが、それと同じくらい人のやりたがらない方を率先してやることも大切。仕事のできる人はみんな知っている。

 

・決めたことを続けるための状況をつくる。

人間は意識を変えることはできない。楽だから。気持ちを変えるのではなく、具体的な行動を起こす。

 

・運がいいと口に出して言う

世界は秩序正しい法則によって動いている。変えられるのは自分自身だけ。法則に合わせて自分を変えていかなくてはならない。

→あらゆる現象は法則の具現化であるから、何が起こっても運がいいと思うことで法則に近づくことができる。

 

・明日の準備をする

一流の人間はどんな状況でも常に結果を出すから一流。結果を出すためには綿密な準備が必要。

 

・身近にいる一番大切な人を喜ばせる

人間はどうでもいい人に気を遣うくせに、一番身近な人を一番ぞんざいに扱ってしまう。

 

・誰か一人のいいところを見つけてホメる

人は、自分の自尊心を満たしてくれる人のところに集まる。

 

・人の長所を盗む

ガネーシャ方程式「人の欲を満たすこと=自分の欲を満たすこと」。成功するために一番効率のいい方法はコピーすること

 

・期待は感情の借金

「期待している限り、現実を変える力は持てない」

人が変われるのは行動して、経験した時だけ。自分の教えなど、過去の成功書に書いてある

 

*最後の課題

やりたいことを見つけるのに一番やってはいけない方法は、考えること

①やらずに後悔していることを今から始める
②サービスとして夢を語る
③人の成功をサポートする
④応募する
⑤毎日、感謝する

欲しがれば欲しがるほど、欲しいものは逃げていく

お金も、名声も、地位も、名誉も全て他人が与えてくれるもの。自分のたりない心を、感謝で満たす。

 

感想

はじめはよくある自己啓発本のひとつかと思って読みはじめましたが、実際に読んでみると他の自己啓発本一冊とは比べられないくらいの価値がありました。その最大の特徴は実戦を前提としていることで、ただ読んで満足しないような工夫がされています。

この本を読みはじめた人の多くは、今度こそきっと変われるのではないかと"期待"します。読者は高揚感の中読み進めていきますが、終盤ガネーシャから「期待している限り、現実を変える力は持てない」と言われ急に冷めていきます。そしてそこで初めて自分を見つめ直すのです。

初回はさらっと読んでしまいましたが、次読むときには課題を一つ一つこなしながら噛み締めて読んでみたいと思います。