本と絵画とリベラルアーツ

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2019年11月の読書結果

みなさんは電子書籍を使っていますか。

私は最近Amazonのプライムリーディングを利用するようになりました。はじめは電子書籍に抵抗がありましたが、慣れてくるとちょっとした待ち時間にすぐ読めて便利です。(あれだけ種類があって追加料金無しは大きいですね…!)

 

『夢をかなえるゾウ』

著者:水野敬也 / オススメ度:★★★★☆

変わりたいと思っているだけで何も変わらない普通のサラリーマンが主人公(あなた)。すぐに楽したいと考えるサラリーマンにガネーシャが課題を出し、2人の対話形式でその本質が語られいきます。

「期待は感情の借金」というフレーズが頭に残りました。思うだけでは人は変われない。変われるのは行動したときだけなのです。

 

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『電通とリクルート』

著者:山本直人 / オススメ度:★★★☆☆

広告業と一言で言っても、電通とリクルートでは全く違った動きをしています。

電通は"発散型"の広告を行なっており、商品を顧客に知らせ広げていきます。一方のリクルートは"収束型"の広告で、最終的に消費者に選択してもらうことを目的としています。

広告大手の2社を比較することで、消費社会の変化を明らかにしています。

 

 

『デジタル資本主義』

著者:森健・日戸裕之 / オススメ度:★★★★★

 デジタル技術が急速に進化する中で私たちの生活はどのように変わるのでしょうか。デジタル技術の発展によって移り変わる資本主義の流れを追いながら、その答えとなるかもしれない3つのシナリオがこの本の中で紹介されています。

 

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『フィンテック』

著者:柏木亮二 / オススメ度:★★★★☆

数年前より所々で聞くようになった「フィンテック」。フィンテックとはFinance(金融)とTechnology(技術)を合わせて作られた造語で、主に、ITを活用した革新的な金融サービス事業を指します。

この本ではフィンテックが注目される理由から実際の金融機関への影響、フィンテックのこれからまでを知識ゼロの人にも分かりやすく解説しています。

 

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『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』

著者:馬屋原吉博 / オススメ度:★★★☆☆

中学高校で習った公民が分かりやすい図解を交えながらコンパクトにまとめられてます。政治に関する「結局どういう意味なの」という疑問が解決する一冊になっています。

個人的には自民党の派閥の一覧がまとめられていたのがとてもありがたかったです。

 

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『超一流の雑談力』

著者:安田正 / オススメ度:★★☆☆☆

 みなさんは話し上手でしょうか、それとも聞き上手でしょうか。この本では雑談を単なる無駄話ではなく強力なビジネスツールと位置づけ、雑談力を上げるテクニックを紹介しています。

 

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『難しいことは分かりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』

著者:スティーブ・ソレイシィ 大橋弘裕

オススメ度:★★★★☆

私自身英語はあまり得意ではなく、英会話となると尻込みしてしまいます。しかし、この本はそんな私でも読みやすく、読んでいると英語を話したい!と思えてくる、そんな本です。 

 

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【大学生にオススメ】『難しいことは分かりませんが、英語が話せる方法を教えてください!』

オススメ度:★★★★☆

私自身英語はあまり得意ではなく、英会話となると尻込みしてしまいます。しかし、この本はそんな私でも読みやすく、読んでいると英語を話したい!と思えてくる、そんな本です。

 

この本をオススメしたい人

・英語は読めるけど話せない
・使える英語表現を知りたい

 

日本人は英語が話せない?

日本人はしばしば、英会話が苦手だと言われます。

わざわざ指摘されるまでもなく、多くの人が苦手意識をもっているのではないでしょうか(私はバリバリ苦手意識持ってます。)

 

スティーブ先生はこの原因を、「学校教育の弊害で、英語の答えが一つだと思い込んでしまっていること」だと考えています。

 

たしかに思い返して見ると、英語の授業は文法メインで、話すときにも文法を過剰に意識してしまっています。

当然ながら英語も言語なので、唯一無二の正解というものは存在しません。一つの答えに執着して言葉がなかなか出てこないようでは、いつまで経っても英語は話せるようにはならないのです。

 

英語を話せるようになるためには、どんどんネイティブ相手に練習し、スピーキングのテストを受けていくことが重要になってきます。

とはいえ、急に話せと言われても困ってしまいますよね。スティーブ先生はそんな人のために、様々な場面で使える"釣竿表現"を紹介してくれています。

 

 

使える釣竿表現

この本で紹介されている釣竿表現のうち、私が特に使い勝手の良いと思ったものをいくつか紹介します。

 

そのまま使えるもの
*Would you ?: 相手に何かして欲しいとき
*May I ?  :自分が何かをしたいとき

 

これらの表現はアレンジすることなくそのまま使うことができます。

例えば、物をとって欲しい時はその物を指差してWould you ?と言えば、意思を伝えることができます。

 

アレンジして使う物

*May I have ○○ : ○○をお願いします(ください)

○○には欲しいものを入れて使います。

例えば、簡単な英語で話して欲しいときには
May I have that in simple English?とすれば良く、とても使い勝手がいいです。

 

道を尋ねられたとき

日本にいて一番英語を使う場面は道を尋ねられたときじゃないでしょうか。中学校でも道案内の表現を習った気もしますが、実際に使おうとするとすぐには出てこないものです。

そこで便利になるのが It's ○○ です

例) It's that way. あっちの道です。
  It's left. 左です。
  It's fifteen minutes from here. 15分かかります
 
その他で使える表現

*Businsee

Business is good/bad 経済状況が良い / 悪い
do business with ○○. ○○と取引がある。
〜 is good for business 〜によって繁栄する
This is business 仕事だから割り切る
 
 

英語を話す上で大切なこと

スティーブ先生の釣竿表現の最大の特徴は、難しいことでも簡単に言い直せるという点にあると思います。

受験を通じて私たちは多くの英単語を覚えているので、実際に英会話をしようとすると「あー、この言葉の英単語どこかで覚えたのに思い出せない…」とたじろいでしまいます。

 

正確な表現はそこまで重要ではありません。

この本の中で、英語が話せるようになるためにスティーブ先生が繰り返し強調していた点は

・実際に使うこと
・時間
・継続性
の3つでした。
 
今回のまとめには入れませんでしたが、この本の中ではビジネスにも有効な技術も数多く収録されていました。読むだけでやる気が湧いてくる本なので、ぜひ英語の勉強を始める前には参考にすることをオススメします。
 

 

テストの目標は100点を取ること

中学生、高校生のみなさんはテストの前に目標点数を決めると思います。その時どのように目標点数を決めていますか??

今までのテストの点を基準に決めている人も多いかもしれませんが、それは間違いです。正しい目標点を設定して、成績をアップさせていきましょう。

 

テストの目標は100点を取ること

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テストの目標は100点を取ることです。それ以外にはありません。最大限勉強の効果を出すためには、目標点は満点に設定するのが一番だと考えます。

 

目標を立てることの欠点

まず目標を立てる意味について考えてみます。

目標を立てる意味は一言で言えば頑張るためです。何も考えていなければ、テスト期間はあっという間に過ぎてしまいます。目標を立てることでテスト期間だということを意識するようになります。

 

目標を立てることは素晴らしいのですが、ここでひとつ、目標を立てることの欠点をお伝えします。

その欠点とは、目標を立てることによって、目標の分までしか頑張らなくなるということです。

 

目標に向かって頑張るということは、目標までしか頑張らないというのと同じです。持久走を思い浮かべてみると分かりやすいです。持久走には、一定の時間という目標があります。その時間の分までは頑張りますが、それを超えれば普通の人は走るのをやめます。目標を定めることは自分の努力のゴールを決めてしまうことなのです。

すなわち、最大限の努力をするためには目標点も最大にする必要があります。

 

 

テストは100点までしか取れない

テストの重要な性質として、100点までしか取ることができないということがあります。

例えどんなに頭がいい人でも100点が天井であり、2000点取る実力があったとしてもスコアに表れるのは100点までなのです。

 

この世で一番頭のいい人間(そんなものは計れませんが)というのは同率を除けば理屈上1人しかいません。しかし、100点というのは何人でも取ることができます。

 

学年で一位を取るというのは大変です。世の中には宇宙人のような頭脳を持っている人もいます。

別に彼らに勝つ必要はありません。

 

彼らが私たちの10倍頭がよかろうとも、100点を取ればスコア上は同じ実力を持っていることになるのです。

 

 

ゴールから逆算して努力する

目標が定まったならば、あとは努力するのみです。

このとき、ガムシャラに努力するのではなく、戦略的に勉強に取り組んでいきます。

 

たくさん頑張れば100点が取れるだろう、という考えてはいつまでも100点を取ることはできません。

どのように勉強したら100点を取れるだろうかと考えることがなにより大切です。

 

100点を取るためには一つの取りこぼしも許されません。試験範囲を隅々まで勉強していく必要があります。

しかし時間には限りがあります。100点を取るためには何を完璧にしなくてはならないか。その部分を完璧にマスターするためにはどのような勉強が必要か。常に俯瞰して考えながら勉強をすすめることが肝要です。

 

 

テスト勉強の目的

テストの目標を100点に定めたところで、最後にテスト勉強の目的について考えてみます。

 

勉強の目的とは、5教科ないし9教科という性質の異なる勉強を通して、勉強の仕方を学んでいくことです。

言い換えると、複数の教科に対し勉強方法を試行錯誤し勉強方法を抽象化することで、学習一般を習得することこそが、勉強の目的です。

 

「この公式は将来何の役に立つのだろう」といった浅い不満に固執せず、

「この問題が解けない」

→「この公式はどうすれば習得できるだろうか」

→「数学はどのように取り組めばいいだろうか」

→「どうすれば効率よく勉強できるだろうか」

と視野を広げることで、将来にも通じる思考力を身につけることができるのです。

 

 

【本の紹介】永野裕之『ふたたびの高校数学』【書評・内容】

オススメ度:★★★☆☆

みなさんは高校時代数学は好きでしたか??私は公文に長く通っていたこともあり、数学は1番の得点源でした。

この本は一言で言えば大人向けの高校数学の教科書です。もう一度数学に取り組んでみたい、という人が手元に置いておくにはとてもいい本だと思います。

 

この本をオススメしたい人

・もう一度数学を勉強してみたい人

 

面白かったコラム

幾何学を学ぶ意義

論理的思考力を鍛えるには、幾何学を用いるのが最も原始的かつ明解である。

 

解析幾何学とは

代数学…解法を一般化することは得意であるが、イメージがしづらい

幾何学…解法を一般化することは難しいが、イメージはしやすい

→解析幾何学…代数学と幾何学の長所を融合に成功

 

メルセンヌ数

Mn = 2^n - 1 :メルセンヌ数

Mnが素数の時…

N = 2^(n - 1)Mn は完全数である

*完全数とは、その数の約数のうち、その数を除いた数の和がその数に等しいもの。

例) 6 = 1 + 2 + 3 

 

函数

関数は中国から輸入した言葉で、元々は「函数」という字で書いていた。中国語で函数は「ハンスウ」と発音し、ファンクションの音訳だと考えられている。

 

感想

丁寧でグラフや図が見やすい以外は基本的に教科書と内容は変わらないので、勉強する気がない人が読み物として読むにはあまり向いていないかもしれません。

しかしところどころに挟まれているコラムはどれも面白く、知的好奇心をくすぐられるのでコラムだけでも読む価値はあると思いました。上の中見出しではそのうち私が知らなかったものや面白かったものをまとめました。

私は根っからの代数派だったので幾何学の面白みには学生時代気付けませんでした。この本で幾何学が原始的かつ本質的な分野だと知ることができ、数学全体に対する興味を広げられたのが、この本一番の収穫でした。

 

秋季(前半)で頑張ったことと頑張らなかったこと

大学の秋学期が半分終わったので、ここらで一旦反省でもしてみることにしました。

大学生の人は「こいつこんなことしてたのか」、社会人の人は「学生ゆるいなあ」とでも思いながら読んでおいてください。

 

秋季が半分終わった

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小学校や中学校の時は2学期制やら3学期制やらたびたび変わってややこしかった覚えがありますが、大学はどこも春と秋の2期制だと思います。

多くの学部の授業は週1回ずつ同じ授業を受けて、期末の試験に合格して終わりとなっています。

 

私の学部は少々めずらしく(?)、週に2回同じ授業があって、半期に1度テストがあります。おかげで授業の種類自体は少ないので楽と言えば楽ですが、やはりテスト疲れます。

 

そして今はまさに疲れのピークで、ゆっくりしようと思って入った喫茶店のコーヒーを速攻で飲み干しぐったりしております。

 

何はともあれテストは終わったので、頑張ったことと頑張らなかったことをちょこちょこ思い出してみようと思います。

 

頑張ったこと

勉強

本読んでりゃその辺の人より頭良くなるだろの精神でほとんど勉強せずに1年以上やってきましたが、限界を薄っすら感じるようになってきたので学外での勉強を始めました。

 

今は週におよそ10時間くらいは勉強するようにしています。これだけでテストがめちゃくちゃ楽になったので、大学生は勉強したほうがいいですよ()。

経済学部の1年生なら週に5時間くらい復習にあてればテストはだいぶ楽にクリアできると思います。

 

じっくり本を読む

本の選び方がここ最近で少しずつ変わってきました。今までは興味のある新書や売れている小説を中心に買っていましたが、段々と政治経済や最新技術関連の本が増えてきました。

 

本は量を読むことももちろん大切ですが、どこかで質も意識していかなくてはなりません。

大学教連の調査によると、大学生の半数の1日の読書時間がゼロだといいます。単純に考えて本を読むだけで大学生の上位半分に入れることになります。

 

…と、私も今まではこのように考え、いたずらに本を読むことも多かったのですが、最近考えが少し変わってきました。

 

「本を読むのは大前提だとして、そこから(長短期的に)何を学びとれるのか」ということを意識するようになりました。そのように考えるようになった結果、自然と選ぶ本にも変化が表れてたのです。

 

この他にも毎日読む新聞のメモをつけたりブログのアクセスを意識してみたりと、少しずつ良さそうなことを試しています。

 

頑張ったことと言いながら読み返してみればやっと普通の人間に戻った程度でしたね。

 

 

頑張らなかったこと

・プログラミング

・早寝早起き

・節約

・いろんな人に会う

 

来季頑張ります…

 

 

 

【本の紹介】中野剛志『経済はナショナリズムで動く』 【要約・感想】

オススメ度:★★★★★★

グローバル化によって経済における国家の役割は減退しているとしばしば考えられているが、それは間違いである。実際には世界経済はナショナリズムによって動かされている。

私が政治経済を考える上で最も重要な本となっています。

 

この本をオススメしたい人

・全ビジネスパーソン
・全経済学部生

 

経済ナショナリズムとは

経済ナショナリズムとは、国民国家において自国の国力の増大を目的とする考え方である。

経済ナショナリズムでは、国益を増大させる目的のために保守・自由主義問わず政策を選択する。1960年代に独立した多くの発展途上国では社会主義体制をとったが、これは旧宗主国から独立するというナショナリズムに基づいている。

 

世界経済はナショナリズムで動いてきた

 最近のナショナリズムの台頭は、90年代以降のグローバリズムの反動とみられることが多い。しかし、実際にはグローバリズム自体がアメリカの経済ナショナリズム運動そのものであり、それに反応して左傾化したヨーロッパ各国の行動もまた自国の国益を守るための経済ナショナリズムであるといえる。

 

 

経済ナショナリズムに対する誤解

経済ナショナリズムを考える上でしばしば2つの誤解がなされている。

 

一つ目は「ネイション(国民)」と「ステイト(国家)」の混同である。

「ネイション」とは、歴史的記憶、公的文化、言語、領土、伝統といったものを共有することによって統合されている一種の共同体である。一方で、「ネイション」とは政治的な制度あるいは組織である。(p.47)

経済ナショナリズムの目的は国家ではなく国民の利益の追求である。国家が国民のための存在だと考えるために、国民は国家の権威を受け入れる。

 

2つ目の誤解は経済ナショナリズムを保護貿易と産業政策を主張し、自由貿易を否定するものだと考えている点である。実際には、経済ナショナリストは主義を問わず国力を増大させるあらゆる政策を採用する可能性がある。

経済ナショナリズムはしばしば考えられているような利己的・排斥的なものであるとは限らず、国益にかなうならば国際協調の立場をとることもある。

 

 

国家・市民社会の中に経済がある

個人の誕生

近代以前には自律した個人も法も存在しなかった。国家と言う土台によって法が誕生し、自由で独立した近代的個人は、近代国家に法的に定義されることで誕生した。

 

市民社会

独立した個人は封建的共同体から解放された。人間が法を守り道徳的に行動するためには、何かしらの共同体や社会集団に所属している必要がある。近代社会における共同体や社会集団を「中間組織」と呼ぶ。そしてこの「中間組織」を豊かに含んだ社会を「市民社会」という。

国家 - 中間組織 - 個人の関係が保たれることによって、民主主義は穏健に保たれる。また国家 - 個人のように結びついたときに全体主義が生まれる。

 

市場の創出

市場は国家によって生み出された。国家によって生み出された近代的個人は労働者としての役割を果たし、それ以外にも通貨・度量衡の統一、法整備、教育制度などの面で国内市場を創出した。さらに軍事力の保持により国内市場を守り、貿易においても国家は大きな役割を果たした。

 

経済は社会に内包されている

経済活動には契約が信用できるという前提が必要となる。この前提の土台となる関係をデュルケイムの言葉で「非契約的関係」という。「非契約的関係」の背景には社会慣習や文化がある。「非契約的関係」であるためには個人が道徳的でなくてはならない。すなわち経済は市民社会に「埋め込まれている」とき、健全でいられる。

 

政治とナショナリズム

国民国家

人はナショナル・アイデンティティを持っている。ナショナル・アイデンティティはネイションに対する共同体意識であり、目には見えないでこそ、逃れることの出来ない運命のようなものである。

国家はナショナル・アイデンティティを可視化したものであるナショナル・シンボル(日本ならば天皇、アメリカならば独立・建国の歴史)を持って国民を統治する。こうして統治された国家を国民国家と呼ぶ。

 

経済政策

近代民主国家はネイションによって支えられている。そのため国家は国民を意識した政策を取らざる得ない。ナショナリズムが誤った経済政策を採用することは往々にしてあるが、一方でネイションの一員である同胞や子孫のために必要な負担や犠牲を甘受することもある。

 

 

まとめ

・経済ナショナリズムの目的は国力の増大

・経済ナショナリズム ≠ 保守主義

・経済ナショナリストは国民国家を理想の国家形態とする

あらゆる経済政策はナショナリズムに基づいている

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感想

 この本は私が政治経済を考える上でもっとも重要な本の一冊となりました。経済発展の過程をゆがめられた理論ではなく、実際の歴史からとらえています。

例えば国家の誕生について、一般的に社会契約説が有力な説とされています。すなわち、個人が国家をつくったと考えられることが多いです。一方でこの本では国家が個人を生み出したと言う全く反対の立場をとっています。考えてみると近代以前の個人に国家をつくる力などあったのだろうか、という疑問が湧いてきます。そう考えているうちに国家による個人の規定の方が正しいように思えてきました。

またこの本で語られている「経済がナショナリズムによって動かされているという説」を含む他の説も現実に即しており、読んでいてすっと入ってくるものが多かったです。

この本を読んでからは新聞をニュースを思想面において理解しやすくなりました。この本の説が正しいかどうかは置いとくとしても、ぜひとも経済学部生やビジネスマンの方には読んでほしいと思い最高の★6を付けました。

 

 

2019年10月の読書結果

長い長い夏休みが明け、大学生活が始まりました。

今年は10月になっても気温や天気が不安定で、服装に困る日々です。

 

『読むだけですっきりする日本史』

著者:後藤武士 / オススメ度:★★★★☆

2008年に出版されミリオンセラーになった本。

旧石器時代から現代までを一冊(335ページ程)で学ぶことができます。

 

内容は中学校で習う内容+αとなっていて、高校で日本史を学ぶ前の復習や、長らく日本史から離れている社会人が日本史をさらうのにほどよい深さと分量になっています。

 

私は受験では世界史を使い日本史にはブランクがあったのでとてもちょうどいいレベルの本でした。これから日本史の本を読みたいが、その前に少し復習がしたいと言う人にオススメです。目次は細かく作られているので、特定の分野だけを確認するのにも助かる作りになっています。

 

 

『ノルウェイの森』

著者:村上春樹 / オススメ度:★★★★★★

発行部数上下巻合わせ1000万部越えの村上春樹の大ベストセラーです。

心が壊れる崖っぷちを生き、交わる人たちの姿に胸がいっぱいになりました。読み終わった後しばらく世界から出られずぼーっとしていました。

 

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『こころの処方箋』

著者:河合隼雄 / オススメ度:★★★★☆

新潮文庫の100冊にも選ばれている名著『こころの処方箋』。"当たり前"だけど忘れてしまっている人間関係や日本人特有の性質を再認識することができます。

 以下の記事では私がいくつか気に入ったものを紹介しています。

 

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『ぼくは勉強ができない』

著者:山田詠美 / オススメ度:★★★★★

いい小説には色々あると思いますが、私はスッキリとした小説が好きだったりします。『ぼくは勉強ができない』はその代表と言ってもいいんじゃないでしょうか。

 

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『完全なる証明 100万ドルを拒否した天才数学者

著者:マーシャ・ガッセン 訳:青木薫

オススメ度:★★★☆☆

 数学者はやっぱり変わり者が多い。"平等"な教育を推進するソ連でいかにしてペレルマンは育ったのか?天才数学者ペレルマンがポアンカレ予想を解くまで、そしてその後に迫ったドキュメンタリーです。

 

『経済はナショナリズムで動く』

著者:中野剛志 / オススメ度:★★★★★★

グローバル化によって経済における国家の役割は減退しているとしばしば考えられるが、それは間違いである。実際には世界経済はナショナリズムによって動かされている。

世界経済というものを正しく認識していく上で欠かすことのできない一冊になっています。

 

 

『ふがいない僕は空を見た』

著者:窪美澄 / オススメ度:★★★★☆

 出てくる人物はみな"弱さ"を持った人間ばかりです。そんな中で生きようとする姿勢に感動しました。「ミクマリ」をはじめとする5つの短編からなる、小さな世界と人間模様をお楽しみください。

 

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