本と絵画とリベラルアーツ

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2019年7月の読書結果

今年の7月は冷夏でした。

例年であれば30度を超える日々が始まり子どもたちはプール開きに大喜びとなるはずでしたが、今年の小学生は可愛そうですね。心からプールの授業をとらなくてよかったと感じています。

下旬になりやや暑い日も出てきましたが、私が求めている夏はこんなものではない。断じてこんな生ぬるいものではない。

光化学スモッグ注意報がでるような日差しの中、エアコンの効いた部屋で布団にくるまりながらアイスが食べたい!

そう切実に思っております。

 

 

『しょぼい起業で生きていく』

著:えらいてんちょう / オススメ度:☆☆☆☆ 

生活の中で余ったものを売って利益を得る。生活の一部を資本化するしょぼい起業では事業計画書も資金調達も必要としない。

普通に就活し、普通に働くのが肌に合わない人が快適に生きられるヒントがこの本の中にはある。

 

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『<実学・経営問答>人を生かす』

著:稲盛和夫 / オススメ度:☆☆☆☆

稲盛和夫は京セラ・第二電電(現:KDDI)の創業者であり日本航空を再建した名経営者である。稲盛は「盛和塾」を開塾し若手の育成にも力を注いでいる。

この本は「盛和塾」の実際の問答をまとめたものである。さまざまな業種の経営者のかかえる悩みに対し稲盛がひとつひとつアドバイスを送っている。

 

第一章 活気ある社風を作る

第二章 社員のやる気を引き出す

第三章 幹部を育てる

第四章 自らを高める

終章  リーダーの役割10か条

の全5章 となっており、稲盛の考える"人を生かす"哲学がふんだんに盛り込まれている。

現代の感覚からするとやや昭和感の強さは否めないが、マネジメントの基本となる部分は参考になると思う。

 

『限りなく透明に近いブルー』

著:村上龍 / オススメ度:☆☆

芥川賞受賞作の中で一番のヒット作である村上龍の「限りなく透明に近いブルー」。

在日米軍基地をかかえる東京の福生市を舞台に、ドロップアウトし、快楽と陶酔に溺れる若者たちの淡白で不思議な関係が描かれている。

劇的な生活の中にいるにもかかわらず、終始覚めた目でそれを眺め続けている主人公が読み手に奇怪な印象を与える。

 

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『中学受験の失敗学』

著:瀬川松子 / オススメ度:☆☆☆☆

中学受験の拡大とともに生まれてきた、中学受験に取りつかれ、暴走の末につかれ果ててしまった"つかれ親"たち。

そんなつかれ親たちを家庭教師として10年以上見てきた筆者がその実態を解明し、警鐘を鳴らす!

 

子どもを中学受験させようと思っている親必読の一冊。

 

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『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』

著:伊神満 / オススメ度:☆☆☆☆

なぜ既存企業は新参企業にイノベーションで後れを取り、敗北してしまうのだろうか。

経済学者クレイトン・クリステンセンはこれを「イノベーターのジレンマ」と呼びセンセーションを起こした。

この本ではクリステンセンの「イノベーターのジレンマ」に経済学的解明を加え、さらに掘り下げていく。

具体的には 「共喰い」「抜け駆け」「能力格差」の3つについて分析することで、既存企業が新参企業に負ける本当の要因を探る。

産業組織論に興味がある経済学部生にはぜひ読んでほしい一冊。

 

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『バカ社長論』

著:山田咲道 / オススメ度:☆☆

一生懸命働いているのに売り上げの減る企業がある。節約に努めているのになぜか利益が減少する。

会社が不振に陥る原因はバカ社長や管理職の判断ミスにある。

そんなバカ社長の間違ったやり方に対し筆者は会計士の立場から分析し、その実態を解明していく。

 

バカ社長の特徴に算数ができないということがある。 

ふつう、固定費の中で一番コストとなるのは人件費で、次が家賃である。

人件費が重くのしかかっている以上社員の時間は貴重な物であり、できる社員であればもっと大切にしていかなければならない。

ところがバカ社長はできる社員に余計な仕事をさせてしまうなど、時間の大切さを理解していない。優秀な人こそ暇にさせておかなければならないのだ。

 

また愚直に努力する大切さを教えるのも社長の役目である。

社会において人の信頼を得るためには愚直に努力する姿勢を見せていかなければならない。ところが中には自分すらそれができていない社長もいる。

努力する風土を持たない会社は信頼を得られず衰退していく。

 

この本のなかではこのようなバカ社長の特徴が並べ立てられている。ただその内容はどこか正論じみていて目新しい情報は正直すくない。この点より☆は2つをつけた。

 

『「分かりやすい文章」の技術』

著: / オススメ度:☆☆☆

 現代において、個人が文章を書く能力を獲得していくことはとても重要になっている。

文章には2通りある。文章は小説やエッセイなどの芸術文と、意見や情報などを伝達する実務文に分けることができる。

この本では「分かりやすい実務文」を書くことを目的としている。実務文における分かりやすさとは、読み手に書き手の意図を分かりやすく伝えることを指している。

分かりやすい文章を書くにあたって文才は関係ない。たとえ文才の無い人でも少しのコツをつかむだけで簡単にわかりやすい文章を作ることが出来る。

以下に本書のコツの一部を紹介する。

 

分かりやすい文章を書く上で必要となる技術は大きく5つに分けることができる。

①構成の技術

②レイアウトの技術

③説得の技術

④センテンスの技術

⑤推敲の技術

これらの技術のコツをつかんでいくことで、読んでいて気持ちのいい流れるような文章を書くことができるようになる。

 

また読み手を想像するというのも重要なポイントである。

読み手の視点に立って、自分の文章をなぜ?なぜそうなるの?という風に眺めていくことで読み手に優しい文章を書けるようになる。

 

文章を書く上で基本的なテクニックが大半を占めていて書きなれている人からすると物足りないような気はするが、それでも推敲の技術など改めて自分の文を分析する上で役立つ点は多くあると思った。

 

 

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