今年の梅雨は例年にも増して過ごしにくい季節でした。
降るんだか降らないんだかよく分からない天気模様に、突然暑くなる異常気象。ただでさえ憂鬱な日々に低気圧が重くのしかかります。
春の気持ちいい青空の下では木陰で読書するのも楽しみの一つですが、この雨の中では静かな景色を眺めながら読書することもままなりません。
それでも移動時間や寝る前などの時間を使いつつ、何冊か本を読んだので簡単な評価とともに紹介したいと思います。
一部ネタバレを含む場合があるのでご了承ください。もしかしたら今後以下の本についてもう少し詳しい記事を書くかもしれません。
オススメ度とは、私が独断と偏見で付けたもので、星の数1~5個(たまに6個)で評価してあります。本探しの参考にしてみてください。
「変身」 カフカ/高橋義考訳
オススメ度:☆☆☆
実家暮らしの何の変哲もない男が、ある日目が覚めると体が虫になっていた。
そんな奇妙な展開で始まる作品だが、読み進めるにつれて不気味さが増していく。後半にかけて何か特別なことが起こるわけでは無い。あまりにも現実離れしている設定と、あまりにも現実的な展開がおぞましさを醸し出す。
普段小説を読まない人でも入り込める作品だと思います。
- 作者: フランツ・カフカ,Franz Kafka,高橋義孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1952/07/28
- メディア: 文庫
- 購入: 18人 クリック: 359回
- この商品を含むブログ (358件) を見る
「テーブルマナー・ブック」 辻ホテルスクール編
オススメ度:☆☆☆☆
フランス料理のマナーが気になって買った本。オードブルからメインまで、さまざまな料理の食べ方と作法が写真付きで解説されている。
肝心なフランス料理を食べに行く機会が無いのが残念。
「あのころ」 さくらももこ
オススメ度:☆☆☆☆☆☆
ちびまる子ちゃんの作者としてしられるさくらももこの、小学校時代を綴ったエッセイ。
5段階評価といいつつ☆6をつけてしまったほど面白かった。最近読んだ文章のなかで一番おもしろい。とにかく面白い。絶対この筆者の他の本も読むと決めた。
「カンブリア宮殿 村上龍×経済人」 村上龍
オススメ度:☆☆☆☆
日本の社長や技術者を村上龍がインタビューする番組「カンブリア宮殿」。
そのインタビューと社長の経歴をコンパクトにまとめてあるのがこの本の特徴。業種や年齢もさまざまで、トヨタ自動車の会長から始まり、ミクシィ社長やジャパネットたかたの高田社長を経て京セラの稲盛和夫まで総勢22人が登場している。
いろんな社長の考え方の一端を一度にのぞける面白い本。
「就活のバカヤロー」 石渡嶺司・大沢仁
オススメ度:☆☆☆
就活は茶番だ。多くの人が感じていながら中々変化のない就活業界のリアルを書いた新書。学生・企業・就活情報サイトの光と影にスポットを当てながら、就活の問題点を指摘している。
「車輪の下」 ヘルマン・ヘッセ/井上正蔵訳
オススメ度:☆☆☆☆☆
中学か高校の国語の便覧でみかけた作品。
主人公はある村でくらす父子家庭のハンス少年。彼はすこぶる頭がよく、周囲の期待につぶされそうになりながらも見事難関の神学校の試験に合格する。多感な時期に勉強漬けにされた少年は厳しい神学校で変わった友人たちと接しながら苦悩する。
自分の意志とはなんなのか、正しいとはどういうことか、ハンスの運命を眺めながら考えさせられる良作。是非とも受験生にも読んでもらいたい。
「教養としてのワイン」 渡辺順子
オススメ度:☆☆☆
ワインの幅広い知識を取り込むことのできる本。ただ、ある程度ワインの名前やヨーロッパの地名の知識がないと知らない横文字まみれで、読み終わった後ほとんど覚えてない状態になってしまう。
ワイン中級者が読む分には+αの情報が得られていいかもしれない。
例によって知識が増えても肝心のいいワインを飲む機会が無くて残念。
「経済は感情で動く」 マッテオ・モッテルリーニ/泉典子訳
オススメ度:☆☆☆
何年か前から流行り始め、現在では経済学の一人気分野にもなっている行動経済学の超入門書的一冊。損失回避性や価値関数などの専門用語には易しい注釈がついており、全くの初学者でも楽しむことができる。
しかしこれを読んで行動経済学を専攻しようとすると痛い目に合うので、もし本当に行動経済学に興味がわいたならばもうワンランク上の本を読んでみることをお勧めします。
「アダルトサイトの経済学」
オススメ度:☆☆☆☆
2012年に発行されたアダルトサイトで収益化をはかる方法をまとめたハウツー本。そのころはまだ本気でネットでビジネスを行っている人ため、ブルーオーシャンであった。
現在ではもうここに載っている手法は使えないが、個人が稼ぐにおいて目をつけるべきポイントは今でも有効だと思われる。