オススメ度:★★★☆☆
今では毎日全人類の1%が食べているというマクドナルド。
その歴史はまさに弱肉強食、アメリカ資本主義を体現するかのようです。
そして片田舎の人気ハンバーガーショップに過ぎなかったマクドナルドが最強のチェーン店に成長したのは、一人の野心にまみれた男の存在があったからでした。
この『ファウンダー』はレイが怪物的な執念でマクドナルドを奪い去るまでの話です。
『ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密』
あらすじ
主人公のレイ・クロックはアイデアマンで起業家。
仕事を色々と変えながら今はミキサーを売っている。
なかなかうだつの上がらない日々を過ごしていたが、ある時ハンバーガーショップから6台もの注文が入った。
気になったレイがそのハンバーガーショップを訪れてみると、そこは凄まじい回転率で人気店となっていたマクドナルドだった。
マクドナルドはマクドナルド兄弟が経営しているハンバーガーショップ。もともとは映画館を経営していたが29年の不況で撤退。飲食の道に入った。
40年にはドライブインブームに乗りBBQ店を開業。最初は上手くいっていたが経費の高さから次第に横這いに。そこから徹底的に無駄の見直しを行い、30秒で提供するハンバーガーショップを作り上げた。
マクドナルドの革新的なシステムに感動したレイは大規模なフランチャイズ化を打診。見事口説き落とし、マクドナルドは急拡大。
資金が底をつきかけてきた頃、レイは知り合ったハリーという財務コンサルタントの助言で土地のリース業務を始める。
財政難を乗り越えたマクドナルドはさらなる成長に成功。
一方でレイの身勝手なやり方にマクドナルド兄弟との関係は完全に崩壊。家庭も崩壊し冷え切った食卓で妻に離婚を告げた。
レイは決裂したマクドナルド兄弟から全権を買収し、完全にマクドナルドを手中に収める。
その後マクドナルドはさらなる隆盛を極めていく。
マクドナルドのシステム
マクドナルドはその名前の通り、マクドナルド兄弟によってカルフォルニアの片田舎で創業されました。
マクドナルドが人気店となった所以は、なんといってもそのシステムです。
兄弟が1号店を出すにあたり、厨房の配置をテニスコートに実寸大で書き出して効率性の見直しをはかるのですが、その時のセリフからもシステム構築の徹底ぶりが伺えます。
弟「まだ改善の余地が」
兄「どこに?」
弟「全部だ」
極限まで考え抜かれたシステムによりマクドナルドは人気店となります。
そしてそんな彼らのもとに"一匹のオオカミ"が迷い込みます。
レイ・クロックという男
この映画をみた人の多くが、このレイ・クロックという男を嫌いになるのではないでしょうか?
欲しいもののためなら嘘は当たり前。
目的のためなら手段を選ばない姿勢に人情や謙虚さを大切にする人からすれば受け入れがたい存在です。
そんな彼が全てを手に入れることができたのは、誰にも負けない"執念"をもっていたからです。
アメリカ資本主義は究極の弱肉強食です。
門地や伝統よりも、強いものが全てを奪い去っていきます。
アメリカ資本主義のなかでは安住することはできません。
常にライバルや新規参入組との争いに勝っていかなくてはなりません。
そして勝つことができるのは必ず勝つ気概のあるもの、執念を持っている人だけなのです。
レイは初めてマクドナルドを訪れた日からマクドナルドを必ず手に入れると決めていたそうです。
そしてマクドナルドにミキサーを売り込んでから7年、レイが還暦目前の年にマクドナルドの全てを手に入れました。
この映画をみて、自分には何かを必ず手に入れてやるという意思が弱いことに気が付きました。
人生で何かを手に入れようと思った時、執念をどこまで見せられるかが結果の違いを生むのだと思いました。