オススメ度:★★★★☆
男性のみなさま、人生でモテたいと思ったことはありますか??
この本では読む人によっては怒ってしまうような、身も蓋もないモテ理論が惜しげもなく語られています。
終始痛快な語り口で、読み物としても十分面白いです。
どんな本?
本書は多くの恋愛理論書を読みあさって実行してきた小説家・水野敬也の実体験に基づく恋愛理論書です。
男性脳にありがたいことに全て理論ごとに章立てされていて、章の最後にはまとめがついています。
時には師のような、時に自虐を交えながら今まで社会で語ることをタブーとされてきた恋愛に関する真実をこれでもかというくらい明らかにしています。
具体的なモテ理論
では実際にどんな理論があるのでしょうか。
数多く紹介されている恋愛理論のうち、私が特に面白いと思った理論を2つ紹介したいと思います。
1.うわっつらkindness理論
まずは風変りの名前のこの理論から紹介します。
うわっつらkindness理論とは、女性の求める優しさとは(本質的でなくとも)見えるうわっつらの優しさだというものです。
これは自分のことを優しい人間だと思ってきた男性にとってはショックじゃないでしょうか。
なんで自分はこんなに彼女のことを思っているのにあんなうわべだけの男に負けてしまうのか、その答えがこの理論の中にあります。
女性の考える優しさとは行動で示される見える優しさのことで、具体的には
・足元が危ないときに手を差し伸べる
・「大丈夫?」「お腹空いてない?」と何度も聞く
・「綺麗だね」を連発する
のような行動を指します。
ほんとにこのなのでいいの!?と普段やり慣れていない人は思ってしまうかもれしませんが、実際に多くの女性が喜ぶのはこういった分かりやすい行動なのです。
本では他にも数ページにわたる具体例が紹介されていたので、自分でこういったことが気付きにくいなと思う人は目を通してみるといいかもしれませんね。
2.BTO理論
これが一番身も蓋もなくて笑ってしまった理論です。
BTOとはおそらく昔流行ったドラマのGTOにかかっていて、本家では「グレイト・ティーチャー・オニヅカ」ですが、BTOは
ブサイク・ティーチャー・オノ
だそうです。もう笑う。
このオノと言う人は水野氏が泣く泣く童貞をささげた相手だそうです。
ここら辺のくだりは傑作なので実際に本を読んでみてほしいのですが、とにかく悲壮感にあふれてたまりませんでした。
この理論は理想を高く持ってしまっていたり勇気が出ずにたじろいでいる童貞に対して、「まずはとにかく捨ててこい、恋愛はそれからだ」という強いメッセージを発信しています。
感想
同じ水野敬也の『夢をかなえるゾウ』も面白かったですが、この本も読み物としてとても面白かったです。
ひとつひとつの言葉のセンスが秀逸で、ページをめくる手が止まりませんでした。
書いてあることは冷静になって読んでみるとどれここれもろくでもないのですが、実際に彼女をつくるということに関していえばこれ以上はない内容になっていると思います。
この本で終始主張されているのは、行動せよ、失敗せよという点です。
恋愛は行動したもの勝ちです。
とにかく行動してたくさん失敗して自分なりの答えを見つけていきましょう。
理論のなかで恋愛関係なく、なるほどと思ったのはハマちゃん理論の一節にあった「空気とは、その場を支配するキーマンの気分」というところです。
日本人のふんわりとした"空気"という文化を本質的にとらえられているとおもいました。
これ以外にも恋愛以外に活かせる理論が数多く紹介されていて、恋愛理論に興味がないひとにもお勧めの一冊になっています。
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