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本と絵画の解説

【宅浪】宅浪の孤独と不安とリアル《レンタル自習室春夏編》

私は現役での受験で単願特攻に失敗した後、宅浪として2年間を過ごしました。

1年目はレンタル自習室を借り、2浪目は完全に自宅で浪人をしました。

 

2年とも毎日受験勉強をして過ごす毎日には変わりありませんでしたが、それぞれ場所や浪人の年数による心の内部に違いがありました。

今回はそのうち前半にあたる1年目の春夏に思っていたことを書いてみました。

 

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余裕の春

受験に失敗した直後の3月下旬、ある程度予想をしていた私は周囲が予備校を探す中レンタル自習室を探していました。

予備校に通わなかったのは自分の力で受験をやりとげたかったからで、レンタル自習室を利用したのはさすがに家に一年引きこもることに不安を感じたからです。

 

レンタル自習室は自宅の最寄駅から3駅ほどの離れた、高校時代に行き慣れた場所に決めました。

雑居ビルに入っている20席ほどの小さな自習室で、普段は自分の他に医学部受験生や司法試験の勉強をしている学生など5人ほどがいました。

レンタル代は冷暖房完備24時間使い放題で、1ヶ月1万円ほどでした。

 

簡単な見学と説明を済ませ、私は4月よりこの自習室に毎日おにぎりをもって通うようになりました。

 

初めのうちは勉強にも集中して取り組むことができました。

まだまだ現役生との成績のアドバンテージがある余裕のある状況の中で、新しい環境と綺麗な机にテンションがあがり、なにより外の風景を眺めながら優雅に勉強する自分ステキ状態になっていました。

ほかの社会人や医学部受験生と一緒に勉強することも、自惚れる一因になりました。

 

心の中がどういう状況かは置いといて、とりあえず勉強には集中できる良い日々でした。

 

そんな日々も2ヶ月も続くとマンネリが訪れます。今まで目新しかった散歩ルートも見飽き、近所の本屋で立ち読みしたい本も徐々に減ってきました。

その中で勉強に対するモチベーションも一気に下がります。

梅雨に入り、朝強い雨が降っている日には出かけるのが億劫になりました。

低気圧で頭の冴えない日々が続き、浪人させてくれている親に申し訳ないという気持ちだけでなんとか自習室には行っていました。

 

そして到頭、自習室についても柔らかい椅子に浅くかけ、テキストを無造作に机に散らかすと、あとはただただスマホをいじるか、外を眺めるだけの日々が続くようになりました。

 

浪人させてくれた上レンタル自習室まで借りてくれた親に対する申し訳なさこそあれど、勉強してないことに対する不安はほとんどありませんでした。

去年一年勉強して現役生とは差があるという思い込みが、現実から目をそらせ不安を覆い隠していました。

 

それでもなんとかドロップアウトしなかったのは、同じく宅浪している仲間がいたからでした。

定期的に集まっては何時間でも散歩して進捗や勉強法、愚痴や不安を垂れ流しあっていました。

宅浪生の気持ちは宅浪生しか分かりません。同じ思いやストレスを抱えた仲間でありライバルがいたことは、大変支えになっていました。

 

堕落の夏

気持ちの上向かないまま、蒸し暑い夏に入りました。

この頃は日中の日差しを避けるため朝早く自習室に行き、昼間はクーラーの効いた部屋で過ごし日が陰ってから家に帰るリズムになっていたため真夏の気持ち悪さとは無縁の生活でした。

 

夏に入ると現役生が急激に伸びてくるため、模試でも成績が上がりにくくなるのを感じるようになってきました。

 

成績だけを頼りに保っていたメンタルも、成績が崩れると同じように不安定になっていきます。

猛暑の中、日々のストレス解消になっていた散歩にも腰が上がらなくなり、クーラーを浴び続けた身体は体力も落ち、一日中机に突っ伏すような日も増えてしまいました。

様変わりしない毎日はまるで時間が進んでいないような錯覚に陥り、このまま一生変わらず浪人が続くのではないかという気さえ起きてきます。

このような環境の中で私の成長は静かに止まっていきました。

 

私が一浪していた夏、世間ではあるアプリが一斉を風靡します。

 

ポケモンGOです。

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すっかり自習室に閉じこもり気味になっていた私も、気分転換にすぐにダウンロードしました。

これ以来、自習室にいる時間と外に出て出歩いてる時間とが逆転し始めます。

 

私は来る日も来る日も隣の駅、時にはもう一つ先の駅までポケモンを探しに歩き、電池が切れては自習室に戻り充電するというポケモンGO漬けの生活を送りました。

完全なる現実逃避と幼児退行です。

 

8月にはポケモンGOのために横浜のみなとみらいまで行き、大量のピカチュウを見てきました。

レアなポケモンに喜び、大量のピカチュウを人と人の間から一生懸命覗く姿は少年そのものでした。ストレスで爆発こそしなかったけれどそれらは全て、防衛機制のうち幼児退行によって免れているにすぎませんでした。

 

一方でこのような自分を客観的に見ている自分もいて、悲しい気持ちになりました。自分のニートの適性が感じられ、内心詰んだかなとも思っていました。

 

浪人生であることの最低限として模試などを受けつつ、そんなこんなしている内にいつのまにか風は乾いて涼しい季節がやってきました。

《レンタル自習室秋冬編》に続く…

 

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