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疲れた大人が『インサイド・ヘッド2』でボロ泣きしてきた

オススメ度:★★★★★

 

『インサイド・ヘッド2』

 

 本作のエッセンス
・自分の中の抑圧された感情に優しくなれる
・思春期表現が秀逸
・脳内事象の具現化がうまい

あらすじ

高校入学を控える少女ライリー。彼女の頭の中には人格を持った5つの感情がおり、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリがそれぞれライリーの幸せのために感情の舵取りを行っている。

アイスホッケーの有望選手であるライリーは、高校で憧れの先輩のもとでプレイするためにキャンプに参加する。

アイスホッケーのキャンプの前日、ライリーの頭の中で突如「思春期」のアラートが鳴り、司令部に新たにシンパイ、イイナー、ハズカシ、ダリィという4つの感情が現れる。

シンパイはあらゆる可能性を想定して計画を立てるタイプで、楽観主義のヨロコビと衝突する。

シンパイはライリーの将来のために、これまでの5つの感情そして13年間培ってきたライリーらしさまでもを遠くに追いやってしまう。

 

感想

近年コロナ禍やDisney+の戦略ミスにより低迷を続けていたディズニーおよびピクサーが長い準備期間をかけて発表した『インサイド・ヘッド2』。

 

結果はスタートから大成功で、日本公開前(24/07/25)時点でこれまで長編アニメーション映画興行収入一位だった『アナと雪の女王2』を抜き歴史を塗り替えた。

これは『トップガン・マーヴェリック』や『アベンジャーズ』をも上回る数値であり、世界での人気が伺える。

 

日本でも海外での大ヒットを大々的に広告し、「大人泣き」のコピーとともに現時点で3週連続1位と記録を伸ばし続けている。

 

私も初めは見る予定が無かったが、YouTubeで予告編を繰り返し見ているうちに興味が沸き、ちょうどタイミングのいいときに日比谷のTOHOシネマズのチケットが取れたので観に行くことにした。

 

油断して見始めたが、終わる頃にはボロボロ泣いていた

 

初め涙が出た時には、なぜ泣いているのか分からなかった。悲しいわけでも苦しいわけでもない。

そして帰り道映画を思い返しながらその理由に気がついた。インサイド・ヘッドのキャラクター同様、自分の中にも舵をとっている感情や抑圧されている感情があり、自分の中で忘れてしまっていた抑圧された感情がその存在意義を肯定されて自然と涙が溢れていたのだ

大人になるにつれ忘れてしまった、またおざなりになってしまった感情が映画のキャラたちによって具現化され、その存在を再認識され肯定されたことに心が揺さぶられていたのだ。

このとき初めてキャッチフレーズの「大人泣き」の意味がわかった。

 

見た人だれもが自分に対して優しい気持ちを持てる素晴らしい映画になっているので、1を見ていない人でもぜひみて欲しいと思う。

ただの御涙頂戴映画ではなく、ストーリー構成やユーモアも秀逸なので映画そのものも十分に楽しめると思う。