本と絵画とリベラルアーツ

※弊サイト上の商品紹介にはプロモーションが使用されています

【ディズニー】『きつねと猟犬』は『MAJOR』に似ている【映画の感想】

オススメ度:★★☆☆☆

僕らは今でも友達だろ?

 

『きつねと猟犬』

 

あらすじ

母を殺された子きつね・トッドは、森の動物たちの助けを得て人間のおばあさんであるトゥイード夫人のもと育てられる。同時期、近くに住む猟師・スライドのもとに子犬のコッパーがやってくる。近くに住む2匹はすぐに仲良くなり、毎日のように遊び、親友となった。

月日が過ぎ、わんぱくなままのトッドに対し、コッパーは立派な猟犬として成長した。

ある日久々にコッパーのもとを訪れたトッドは、猟犬チーフに見つかり、コッパーと共にスライドに追いかけ回される。コッパーに居場所がバレ絶体絶命のトッドだったが、友人のよしみで見逃してもらう。しかしこの猟でチーフが大怪我を負い、怒り狂ったスライドは必ずトッドを捕らえると完全に目を付けられてしまった。またこの件で友人で会ったコッパーもトッドを恨んでしまう。

トゥイード夫人はこのままトッドを守り切れないと、森の奥へトッドを放す。スライドは執拗にもトッドを追い、ついにトッドとコッパーが衝突してしまう。

 

感想

この映画を見たときには、純粋に「トッド可哀そうだな」という感想をもった。トッドは母を失い、愛してくれた人間のおばあさんとも別れることになり、さらには友人のコッパーに憎まれてしまうという、多くの悲劇に直面する。

一方で猟師の家で育てられたコッパーは、もともとは臆病な性格で、トッドに様々な遊びを教えもらいながら幼少期を過ごす。その後先輩猟犬チーフとの訓練を繰り返し立派な猟犬へと成長した。

 

さて、この話の流れと登場人物だが、どこかで見たことある。

 

そう、この記事のタイトルにもある通り、野球漫画の『MAJOR』である

『MAJOR』の主要人物は主人公であるピッチャー:茂野吾郎とキャッチャー:佐藤寿也である。

茂野吾郎は3歳の時に母を失い、野球選手で憧れの対象であった父も試合中の事故で亡くしてしまう。それでも野球への情熱と持ち前の明るさを失うことなく、純真な性格のまま成長していく。

一方佐藤寿也は小さいころ、「お受験」のために家で勉強を強いられる生活を送っていた。そんなある日キャッチボール相手を探していた吾郎と出会い、野球に目覚める。その後はリトルリーグに入り、吾郎を追い越すほどに才能を開花させていく。

 

細かい点を言ってしまえば違う部分もいくらでもあるが、「悲劇のなかでも純真なまま成長した主人公と、努力して一足先に大人になったもともと気弱な少年」という構図はよく似ている。

変わらないものと変わっていくものを描くうえで優れた構造なのだと思った。