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【宅浪の思い出1】宅浪とNHK

いくら単調で勉強ばかりの毎日だったとはいえ、2年も浪人するとそれなりに振り返れる部分があります。

このシリーズでは浪人時代のちょっとしたエピソードや出来事を語っていきたいとおもいます。

主に現在進行形で浪人しているみなさんに息抜き程度に呼んでもらえるとありがたいです。

 

こないだの参議院選挙でNHKから国民を守る党(通称:N国)が彗星の如く現れ、議席を獲得するという大勝利を収めた。

選挙前までは面白がっていた連中も、いざ当選すると意見が分裂し、ある種のセンセーションを巻き起こしている。

 

さてNHKに肩入れするつもりもぶっ壊すつもりもないが、個人的には思い出に残っている番組がいくつかある。

最近ではめっきりNHKどころかテレビも見ることが少なくなったが、連日のニュースでNHKが取り上げられているのを見て、ふと懐かしい番組たちを思い出した。

その中には浪人中に見ていたものも含まれた。

 

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1浪目の、まだ気持ちも晴れやかでやる気も十分だった5月ごろ。この頃は朝も早く起きられ、暑くなる前に自習室に着くとすぐに勉強を始めることができていた。

浪人生ではあるものの自分のやるべきことが分かっており、勉強も計画より前倒しで進む日々は充実感に満ち溢れていた。

 

兄弟が多かった私は子供の頃自分の部屋や机を持っていなかった。宿題をやるときはもっぱらリビングの大きなテーブルで、兄弟が横でちょこまかする中で勉強していた。

自習室のLEDの明かりがついていて、四方は木で囲まれている広い机だった。椅子もスプリングのきいた座り心地の良いものだった。私にとって自習室の机は初めての自分のための机であり、空間であった。

 

浪人が決まった時から生活は朝方を守ろうと決めていた。このころは朝早く出て、夕方お腹が空くころには帰るよう努めていた。

 

帰るのはちょうどいつも午後6時ごろだった。

風呂に入り、テレビをつけて夕食を食べる。

これがいつものルーティーンだ。充実感の中で食べる夕飯は一人でも美味しかった。

 

宅浪生の辛いところとして、学割が効かないということがある。同年代の友人とカラオケや映画に行っても学生証がないというのはどこか疎外感を感じて寂しい。

精神面だけでなく実際問題金銭面としても意外と痛い。特にAmazonプライムスチューデントが使えないのはなかなか痛かった(予備校生が使えるかは分からないが)。

今でこそ時間があればAmazonビデオにお世話になることが多いが、当時はそれも無かったのでテレビを見ることが今より多かった。

 

6時半というと民放もグルメ特集ばかりで、特に目を惹くようなものはやっていない。勉強に満足して帰ってきた気分からするとなんだか物足りない気がする。

 

土曜のある日、チャンネルを回していくとある局がアメリカのホームドラマを放送していた。

このとき見つけたのがEテレ(旧NHK教育)でやっていた「iCarly」だった。

 

***

 

内容は、主人公カーリーが友人たちと一緒にインターネット番組iCarly.comを展開し、人気を博していくというもの。

毎回のパターンはだいたい同じで、友人の誰かがトラブルを起こし、カーリーがiCarly.comを通して解決していく。

 

当時は英語のモチベーションも高かったのでこれを英語音声にし、英語の字幕をつけて見ていた。

英語力が向上したかは定かではないが、とりあえず内容は理解できるレベルではあった。

 

「iCarly」が終わり短い番組を2.3挟んだ後からは「地球ドラマチック」が始まる。

毎回歴史や生物、社会問題にスポットを当て、子どもにも分かりやすいように謎に迫り、解明していく。子供向けの番組でありながら制作には相当力が入れられており、毎回クオリティが非常に高い。

 NHKはドキュメンタリーの分野に関しては他局より一つ頭出ている気がする。

 

私は特に世界史が好きなので、文明や遺跡に関するテーマは欠かさず見ていた。

なかなか詳しく知ることのできないメキシコの古代文明崩壊の謎は印象に残っており、今でも覚えている。また今まで自分の興味のなかった分野でも、見てみると意外に面白いことがあった。

幼稚園児の行動にスポットを当てた回も印象深く、子供達の性格によって全く行動パターンが違うことが分かった。

 

このように NHKにもいい番組はあり、全くの無益というわけではない。

特に子供の好奇心を刺激する番組は貴重であり、これが廃れてしまうのは非常にもったいない。

 

 たしかにNHKのあり方や体質には問題点も多く、国民が監視していくことは重要である。しかし存在そのものを否定するのではなく、いいものは残すという方向で変わっていってもらいたい。

 

 NHKが実質的な国営放送である以上、その存在意義を NHK自身が明らかにし、また主張していかなければならないのでないだろうか。

 

 

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