勉強において最大の難関は、勉強にとりかかるということではないでしょうか。
試験前だから、検定の前だからと、とりあえずテキストを買ってきたりノートを準備してしてみたりしたものの一向に手につかない。
勉強を始められる一歩直前までは用意ができるのにいざ始めてみるとスマホをいじってしまったり、何年も読んでいなかった漫画が急に面白そうに見えたり。
何時になったら始めよよう、動画を見たらやろう、お腹が空いたから何か食べてからにしよう。
とにかくとりかかれない。
気分が乗っているならまだしも、普段はほとんどの人がこんな調子だと思います。
別にめちゃくちゃやりたくない訳ではないけれど、なんか手がつかない。
やらない自分を責める必要はありません。
だいたいみんなそんなものです。
でも少しのコツでとりかかるくらいのやる気なら起こすこともできます。
今回は私が試して実際に効果のあった勉強法を紹介したいと思います。
ちょっと贅沢な飲み物を買う
最初のコツはちょっと贅沢な自分の好きな飲み物を飲みながら始めるということです。
ポイントとしては、自分のお金で買うことです。
これはサンクコスト効果(コンコルド効果)を狙って行います。
サンクコスト効果とは、簡単いえば損した分を取り戻そうとする心理状態のことです。
例えば、
UFOキャッチャーで入れた分のお金を取り戻すため、取れるまでお金をつぎ込んでしまう。
ソーシャルゲームで課金したがゆえにさらに沼にはまってしまう。
このような状態はサンクコスト効果に陥っているといえます。
普段は嫌なことに使われるこの効果ですが、逆に勉強に利用してやるという手もあります。
まずちょっと贅沢な飲み物を自分のお金で買いましょう。
するとせっかく勉強のために貴重な小遣いはたいて買ったんだかや、勉強しなければもったいないという気持ちになります。
さらに自分の好きな飲み物を飲むことで少し気分も上がります。
私はモンスターや(コンビニの)スタバの飲み物をよく飲んでいました。カフェインは記憶力を強化する役割があるらしいので、コーヒーやエナジードリンクがおすすめです。
人間は損に対する意識が非常に高いので、このやり方はとても有効だと思います。
ただ、勉強しないまま飲み干してしまうととんでもない自己嫌悪感に苛まれるので注意。
音楽を聴く
基本的に勉強しながら他のことをすると大幅に集中力が落ちます。
音楽を聴くのもあまりオススメではありませんが、"勉強しながら"聞くのではなく、
"勉強するために"聞くのは私はアリだと思います。
「パブロフの犬」をご存知ですか。
パブロフの犬とはロシアで行われた条件反射の実験で、
①犬にメトロノームを聞かせる
②犬にエサを与える(犬はヨダレを出す)
を繰り返していると、犬はメトロノームの音を聞かせるだけでヨダレを出すようになるというものです。
私たちが梅干しを見てヨダレが出たりするのも条件反射です。
条件反射とは、ある一定の条件において身体のスイッチを入れるということです。
これを勉強にも応用します。
すなわち、勉強のやる気のスイッチを自分で作ってしまえばよいのです。
勉強前に毎回同じ音楽をかけてから勉強に入ります。これを繰り返していくうちに、その音楽を聞くだけで勉強するスイッチが入るようになります。
これは飲み物でも応用可能で、勉強に入る前毎回同じものを飲むことでスイッチを作れるようになります。
ただ、やはり勉強中に音楽を聞くのは集中力を下げる原因になるので、無限ループしたりずっと聞くのは控えましょう。
どうしてもイヤホンをしていないと集中できないという場合は言葉の入っていない音楽がおススメです。
またモーツァルトの旋律には頭をよくする効果があるとも言われています。
散歩をする・場所を変える
家に引きこもっているとどうしても気持ちも塞ぎがちになってしまいます。
もうノートも広げて勉強する準備はできてるんだけど、あとは気持ちだけなんだという場合には、これから外に出るのはもったいないように思われますが、経験上思い切って外に出た方が勉強が捗ります。
家にいて何もしないまま1時間過ごすなら、30分使って外に出てしまった方が合理的です。
散歩だけでも十分効果がありますが、気持ちがどうしてもどうしても勉強に向かないという場合にはどこかカフェか図書館かに行ってしまうのが良いです。
またここでもサンクコスト効果を応用することができます。
あえて交通費を払い遠くに行くことで、元を取るまで絶対に帰らないぞという気持ちにさせるのです。
とにかくまずやる
やる気の出ない最大の原因は、やっていないならです。
人間はやることで、やる気が出ます。
とは言え、それが出来ないわけです。
そこでとりあえず10分だけ騙されたと思ってやってみるのです。
もうその日の勉強この10分だけでも終わりにしていいという気持ちで、とにかく10分だけやってみるのです。
それでダメなら、外に出ましょう。
逆にやらない
ついに本当のギリギリまで手をつけることができなかったという場合もあります。
状況は深刻ですが、心理学的にはアドバンテージと見ることもできます。
人間普段からフルパワーで動けるようにはできていません。
普段からフルパワーで動けてしまったら私達はきっと壊れてしまうでしょう。
そのために私達の能力には通常は枷がはめられているような状況にあります。
アスリートでもない限りこの枷は自分の意思で外すのは難しいですが、誰でも簡単にこの枷を外す方法があります。
この枷は緊急事態の時には外れるようにできています。
火事場の馬鹿力とはこの枷が正常なタイミングで外れたことを意味します。
勉強が嫌だろうと緊急事態であれば勉強します。
外す方法は簡単です。
本当にヤバイと感じるまでやらなければいいのです。
心の何処かにやらなければマズイと少しでも思っていればいつか本当にヤバイと感じるタイミングが来ます。その時まで勉強しなければいいのです。
ここで中途半端に勉強してしまっているとこの効果は得られません。
本当にヤバイと思うまで放置してしまいましょう。
皆さんも経験したことがあると思いますが、枷が外れて本気を出した時の集中力はすごいです。
私も以前、10時間かけて前半の半分しか終わらなかった暗記が、直前になって後半をやったところ20分で丸暗記できました。
人間の本気の集中力とはなかなか侮れないものです。
とはいえ直前になって開き直るパターンも考えられるので、あまりオススメはできません。