オススメ度:★★★☆☆
企業価値に責任を負わないのは、CFOではない‼(p.3)
安藤秀昭 他『CFOを目指すキャリア戦略』
CFOって結局何する人なのか、CFOに求められるスキルは何か、CFOを目指すにはどのようなキャリアを歩めばよいのかがわかる本。
誤字や主観に基づいた主張がやや気になるが、網羅性がある良本。
プロフェッショナルCFOとは
CXOという役割が日本でも徐々に浸透し、旧来の常務、専務という肩書からシフトが進んできた。役割の名称としての普及が進んだ一方で、日本のCFO人材は多くの弱点を抱えている。
・企業価値の番人がいない
では、真のCFO(プロフェッショナルCFO)とは、どのような人材のことを呼ぶのだろうか。筆者が考えるプロフェッショナルCFOの要件は以下のとおりである。
②役割:経営戦略・財務戦略・企業価値検証・IR
③管掌業務:経営企画・ファイナンス
④スキル:経営企画・ファイナンス・マネジメント・人間性など
これらすべてを兼ね備えた人材こそがプロフェッショナルCFOである。しかし日本大企業ではほぼ見ることができない。現在日本でプロフェッショナルCFOがいるのは、外資系・一部の投資系ファンド・中堅企業・中小ベンチャーの一部に留まっている。
どこまでいっても、CFOの最重要キーワードは「企業価値」である。企業価値に責任をもち、企業価値向上のために有効な施策を知識と経験と覚悟を持って打つことが、CFOの役目となる。
CFOを目指すキャリア
CFO人材を目指す上で最短ルートというものは存在しない。CFO人材へと至る道は、その人の状況によって変化する。
最短ルートは存在しないという前提の下で、多くのCFO人材を指導してきた筆者が考えるモデルルートは以下のようなものである。
CFOへのモデルルート
▶︎ 中小ベンチャー 5年 経理・マネジメント
▶︎ コンサル会社 3年 経営企画
▶︎ 中堅企業 5年 経営企画・マネジメント
→CFOへ
以下の20年をトレーニング期間とし、45歳前後でCFO人材としての最盛期を迎えるイメージとなっている。
高度な知力や判断を要求されるCFOには活躍できる年齢的限界がある。具体的には賞味期限は55歳、消費期限は60歳だという。これ以降は、経験を生かしたサポートに回ることを推奨している。
真の意味でのCFOとなるには、スキルや経験、そして人間性すべてで高い水準が要求される。これらを兼ね備え活躍するには、若いうちから準備(知識だけでなく修羅場をくぐるという意味)が必要になる。
CFOに限らず、高度人材になるに上で若年期からキャリアデザインする重要性を再認識させられた。
《その他メモ》
visible alpha社では、統合されたデータを分析し見える化、アナリストレポートなどを活用して機械学習で業績予測を自動的に算出するソリューションを提供(p.170)