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【仕事を楽しむ極意】川村隆『ザ・ラストマン』

オススメ度:★★★★☆

「自分の後ろには、もう誰もいない」と思ってみる

 

川村隆『ザ・ラストマン』

 

 

 本書のエッセンス
・責任を負えば当事者意識が湧き、仕事が面白くなる
・修羅場体験で人は「覚醒」する
・山より大きいイノシシは出ない、悩むより行動すべし

 

感想

日立グループで社長まで務め、グループを再生に導いた川村隆氏による、社会人としての心構え=ザ・ラストマンとしてのあり方について書かれた本。

メインメッセージである責任をもつことで仕事が楽しくなるという点に、とても共感できた

 

ザ・ラストマンとは、自分の領域対し決断を下し、結果の全責任を負う心構えを指している。

本書の中では最終意思決定者とも書かれているが、社長のような特定の役職を示すものではない。

本書の帯にある「自分の後ろには、もう誰もいない」と思ってみるが端的にザ・ラストマンとしての在り方を表現していると思う。

 

なぜ川村氏はザ・ラストマンとして生きることを推奨するのか。

普通、責任を負えばつらく、しんどい思いをする。理不尽にさらされ、ストレス値が上がっていく。

管理職に就きたがる若者は減っているという事実もある。

 

では責任を負うことは、人生や仕事にとって負であるのか。否、川村氏は逆だと主張する。責任をもつことは当事者意識を高めることであり、ひいては仕事を楽しくするという。

「責任をもって」などと書くと、ちょっと辛そうだと思うかもしれませんが、そうでありません。逆に、受け身の姿勢が少なくなれば、当事者意識が持て、いろいろなチャレンジもでき、仕事はもっと楽しくなります。(p.18)

これはまさに私自身でも実感しているところで、責任のない仕事をやっているうちはどこまでいっても「やらされている」域を出ることはない。

 

やりたいことをやるためには、責任をもつしかない。責任をもつからこそ、自分のアイデアや野心を会社の金で実現するチャンスをもらえる。

 

 

また自分自身だけではなく、周りや部下に対して責任を持つことも喜びである。

工場で真っ黒になって働いている人達を見て、「この人たちを食べさせないといけないなあ」と未熟ながらもザ・ラストマンとしての自覚が芽生えたのです。(p.35)

これは従来家長や長男が持っていた感覚に似ている。

 

昔私の部長が部下たちのために働いていると言っていたのを思い出した。この人たちのために頑張ろうと思えることは、なんとも幸せなことだと思う。

こう考えると、例えば新規案件の獲得ような仕事もお客様のためだけではなく、社内の仲間たちのためだと思える。

 

***

 

この本では社会人としての心構えとともに、川村氏の経験の中で生み出された活躍できる社会人になるメッセージも紹介されている。

15分で結論を出す。出せるように意識つけてトレーニングしていく(p.86)

修羅場体験で人は「覚醒」する(p.154)

「山より大きいイノシシは出ない」と言われるように、物事にはおのずと決まっている上限が存在するのです。心配すればするほど不安が大きくなりますが、心の持ちようで小さくすることもできるのです。

そして、逃げずに立ち向かうと、意外と問題は小さかったと気づく場合もあります。あれこれ考えすぎるより、行動に移してみるのが一番な解決策なのです。(p.174)

 

これらは一見するとよくある根性論に聞こえなくもないが、実際リーダーとして上に行くためには昔から変わらない心持なのだろうと受け取った。