オススメ度:★★★★☆
良好なコンディションで月曜日の朝を迎えるためには、土日の休日に自己効力感を高めておく必要がある。(p.112)
越川慎司『世界の一流は「休日」に何をしているのか』
本書のエッセンス
・休日をつかって自己効力感を高める
・休日のために仕事がある
・土曜と日曜で役割を分ける
本書のサマリ
世界の一流と比べると日本人は休むのがヘタである。
日本人が休日を身体と心を休めるため怠惰に過ごしているのに対し、世界の一流は休みは仕事がない日として扱うのではなく、休日を充実させ自己効力感を高めるために使おうとする。
自己効力感を高めるために具体的にはスモールステップで達成感を得る、新たなチャレンジ、人とのつながりの強化、自己省察のために時間を使う。自己効力感を高めることでまた月曜の朝を良好なコンディションで迎えられる。
また土日を同じ休みとしてみるのではなく、土曜日を攻めの休みの日、日曜日を守りの休みとして使い分けることで効果的に休日を使っている。
感想
仕事をうまく進められることと休日を充実させられることには一定の相関があると思う。
自分の経験として、仕事がうまく進んでいるときには休日も楽しむことができるし、逆に仕事がうまくいっていないときには精神の回復に時間を要するため休日もふさぎ込んだような使い方になってしまう。
たいてい仕事がうまくいっていないときというのは常に頭の片隅に解消できない不安が付きまとっており、これを休日の間も消し去ることができず悶々と過ごす羽目になる。
この本では仕事と休日を充実させるための媒介として自己効力感を挙げている。
自己効力感とは「自分は目標を達成させるだけの能力を持っている」という感覚のことで、モチベーションに大きく作用する要素である。
自己効力感が高い状態で仕事に取り組むことで、思った成果をうまく上げることができ、悩みの少ない状態で休日も楽しむことができる。
休日を充実させるためには仕事がうまくいっている必要があるため、仕事がうまくいく状態を作り出すために休日に自己効力感を高める活動に取り組むことが重要である。また自己効力感を高める活動そのものが、休日を充実させることにもつながる。
自己効力を高める活動の具体例として、本書ではスモールステップで達成感を得る、新しいことにチャレンジする、人とのつながりを大切にする、自己省察の時間を持つことが挙げられている。
また休みのバランスを取る方法として、土曜日と日曜日の使い分けを推奨している。
土曜日を「チャレンジデー」として新たな人間関係の構築やワークショップへの参加に使い、日曜日は「リフレッシュデー」として脳の休養のために読書やヨガなどゆっくりする時間とする。この順に設定されているのは、日曜日は仕事のことがよぎり気味であるため、新たな活動中に仕事のことがフラッシュバックしないようにするためである。
仕事がうまくいっていないとき休日を楽しむことは難しいが、仕事と休日だと休日のほうがコントロールが効きやすい部分であるから、まずは自己効力感を高める活動を半強制的に休日に組み込むことで、人生を好転させられるのではないだろうか。