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【マニラ2泊突発旅行 #3】LAカフェの実態【2024/08】

2024年8月、フランスではパリ五輪が開催され、日本では南海トラフのリスクが叫ばれる中、私は単身マニラにいた。

ひしゃげたジプニーがクラクションを絶え間なく鳴らし、夜には痩せた野犬が跋扈するマニラで私が見てきたものを4回に分けてご紹介する第3弾。

 

【マニラ2泊突発旅行 #3】LAカフェの実態

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マニラ屈指の繁華街マラテ地区のすこし外れに、LAカフェというカフェバーがある。

カフェの周りは夜になると薄暗く、寂しげなトルコ料理屋や音が微かに漏れ出ているカラオケ、そしてウロウロと野犬が徘徊する通りに位置している。

 

店のドアは派手なシールが貼り付けられており、その上では小さなネオンが毒々しく光っている。入るのに躊躇し、何度か店の前を通り過ぎながら周囲の様子を伺う。たまに2, 3人のアジア人男性がグループが入る他、ドレスやワンピースを着た女性の出入りも見られる。

 

意を決して入り口に立つ。スタッフにドアを開けてもらい中に入ると、これまた毒々しい色のドレスを着た10人ほどのフィリピン女性たちが入り口付近を固めている。

 

スタッフに案内されカウンターの席に着いた。

店内は1階と2階に別れており、1階はカウンター席の他、何人かでかけられるテーブル席も用意されている。2階はバンドの演奏などをやっているようである。

私が訪れた時は20時を少し回ったころで、1階席はほぼ満席という賑わいだった。

テーブルに備え付けのメニューはなく、スタッフにお願いすると出してくれる。とりあえずカラカラに乾いた喉を潤したかったので、目に入ったバドワイザーを注文し、周囲の様子をウォッチする。

一人で飲んでいる姿もチラホラ見られるが、大半は友人同士で来ている組が多い。国籍は日本人を中心に、韓国人、中国人と見られる男性もいる。白人はごくわずかしかいなかった。年齢は30代〜50代がボリュームゾーンのようである。

それぞれの客には1, 2人のフィリピン女性が一緒に飲んだり、これから話そうと話しかけたりしている。フィリピン女性の年齢層は20代が中心で、中には40代くらいだと見られるベテランもいた。

フィリピンの女性はみな二重で目が大きく綺麗な多いなと改めて感じた。

 

周りを見渡していると、近くにいたフィリピン女性が話しかけてきた。びっくりしてあまりよく顔を見られなかったが、20代前半で愛嬌のある顔をしていたと思う。

一緒に飲んでもいいかと聞かれたが、まだビールも到着しておらず店内の雰囲気に慣れていなかったので一旦お引き取り願った。

 

その後はビールが来るまでひっきりなしにフィリピン女性が訪れてきた。大体話すことは同じで、何歳か、どこから来たのか(日本と言うとどの女性も反応が良かった)、何しにフィリピンに来たのか、マニラでは何を見たのかといった話を繰り返しした。

基本的に彼女らとの会話は英語で行われるが、中には日本語を話すことができる女性もチラホラいた。彼女らの母国語はタガログ語のため、傾向として若い女性ほど英語・日本語が苦手で、ベテランになればなるほど語学に長けている人が多い。彼女らの一部は日本のフィリピンパブ等から引き上げてきた人なのだろうと思われる。

 

15分から30分ほど話し女性をリリースするときにはチップを要求してくるので、200ペソ(=約500円)ほど渡すと静かに店のどこかは消えていった。500ペソ(=約1,250円)要求してくるガメツイフィリピーナもいた。

 

また料金の話でいえば、女性たちに奢ったドリンクも当然個人の会計につくので注意が必要である。ビールが一杯500円程度なのに対し、女性に奢るドリンクはノンアルコールで1,000円くらいする。

支払いはキャッシュオンリーなので、奢る予定のある人は多めにペソを持っていくのがいいだろう。店内にもATMが配置されていたが、その場でお金を下ろすのは誰に見られているかわからないのでやめた方が無難である。

 

女性たちの目的はズバリ売春である。

先に述べた通り店にはアジアを中心にさまざまな国の人がいるが、もっぱらターゲットは日本人男性のようである。

客に日本人男性の組みが多くいるときには彼女らは流動的に動いているが、私がいたタイミングではどうやら他に日本人男性がいなかったようで、周りには光に群がる夏の虫のごとく女性が集まっていた。

そのようなシチュエーションだと男性として悪い気はしないが、他の日本人男性が来店しサッと自分の周りからはけていくところを見ると、なんとも現金な人々だなと可笑しくなった。

 

そういうわけで、いくらか会話が弾んだ女性の中には直接的に売春を持ちかけてくる人も少なからずいた。

彼女らの言値によれば相場は4,000〜5,000ペソ(=10,000〜12,500円)のようで、交渉の余地があるとするならばここからマイナス1,000ペソ程度が本来の相場なのではないかと思う。

 

周りの宅に聞き耳を立てていると結構交渉が成立しているところもあるようで、嬉しそうに腕に手を回しながら店外へ抜けていく男女もしばしば見られた。

さらに衝撃的だったのは成立した組に対して自分も混ぜろとかかんにトライする女性もおり、彼女らの執念には驚かされた。

 

そんなこんなで会話の相手を変えながら2時間ほどビールを楽しんだ。

注文で若干厄介だったのは追加注文するために担当のホールスタッフを探さなくてはいけないことで、なかなか見つからずに困っていると話してた女の子が大声で探してくれることもあった。

オーダー履歴は手書きで書いて卓上の筒に入れておいてくれる。履歴が明瞭でいいと初めは思ったが、字が汚すぎて読めなかったので実際ぼったくられてもわからなかったと思う。

 

22時を回ったあたりで治安も心配になってきたので帰ることにした。

支払いは酔っていて正確には覚えていないが1,500〜2,000ペソ(約4,000〜5,000円)くらいだったと思う。このほかにチップを渡しているので実際にはもう3,000円強ほど使った。

 

帰るとき危ないから車で帰ったほうがいいと忠告されたが、2分ほどの距離だったので酔い覚ましがてら歩いて帰ってしまった。ちなみにホテルはリヴェラ・マンション・ホテルである。

当時は大丈夫だと思って歩いて帰ってしまったが、あとで冷静になってから22時過ぎの繁華街をほろ酔いで歩くのはあまりに平和ボケしているなと反省した。

 

ホテルに着くと、別の日本側客がフィリピン女性を連れて戻ってくるところと出くわした。

女性は身分証明書をホテルのセキュリティに提出して特に引き止められることなく中へ入って行った。

日本のホテルでは宿泊者以外を中に入れるのは御法度だが、調べてみるとフィリピンではホテルの部屋自体の料金を払っているため人を入れるのは特段問題ないのだという。

エレベーターの張り紙を見てみると未成年を連れ込んではいけないと書いてあったので、逆説的に成人していれば問題ないのだろう。

 

なんの参考になるか分からないが、せっかく珍しい場所に行ったからということで私の体験を書き残しておいた。

これらはすべて実際に起きたことを元にして書いているが、みなさんがLAカフェを訪れる場合には自己責任でということを最後に強調しておく。