オススメ度:★★★☆☆
小学生が問題解決のスキルを学ぶのに適した本。「やりたいことを叶える」ために考えることがどれだけ大切かが書かれている。
子供がいる人への贈り物に最適。
作者『世界一やさしい問題解決の授業』
頭を使うことは役立つ
書かれていることは大変シンプルで2つだけ。①頭を使うことは役に立って②そのための道具としてロジックツリーがある。
子どもに「考えろ」という時、大半の大人は無責任である。なぜ考えなくてはいけないのか、どのように考えれば良いのか。重要な部分をすっとばして抽象的な要求だけをぶん投げる。
無理を要求された子どもはとりあえず適当に考えて、大人から「違う、考えられていない」と理不尽を押し付けられる。
一口に「考える」といっても、その実態は大きく2種類に分けられる。一つ目は経験則に基づいてアウトプットすること、所謂智恵である。自分や周りのこれまでの経験というフィルターを通すことを考えると見なす。これは体系的知識のない時代の人々にとっては非常に重要で、老人たちが重んじられてきたのもこのためである。雲の形から天気を予測するのがこれにあたる。
もう一方が広義でのロジカルシンキングである。前提と論理の積み重ねによって結論を下す。科学の発展とともに発達し、今日では多くの方法論が語られている。
本書では後者を「考える」と位置付け、その有用性と方法論を述べている。
なぜ子どもは後者の「考える」を学ぶ機会が少ないのだろうか。それは大人たちも「考える」訓練を受けていないからである。
ほとんどの大人が考え方を知らずに、知恵に頼って考えたフリをし続けている。考えるスキルがない大人が考えるスキルのない子どもを再生産している。
この回転から抜け出すためには自分で「考える」方法を身につけるしかない。本書はきっとそのいいきっかけとなるだろう。