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【感想】『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』

オススメ度:★★★☆☆

アン・ハサウェイの映画デビュー作で大ヒット作品の『プリティ・プリンセス』の続編。

 

アン・ハサウェイ演じるミアの女王即位にあたってのいざこざと、スキャンダラスな恋を描いた作品。

『プリティ・プリンセス2/ロイヤル・ウェディング』

あらすじ

21歳となったミアは、祖母であるクラリス女王に代わりジェノヴィア女王に即位するためジェノヴィアに入国する。即位はスムーズに進むはずだったが、近縁者の一人がある法律を持ち出し、自分の甥っ子を国王にするためミアの女王即位を阻止しようとたくらむ。

その法律とは「未婚女性は女王になれない」というものだった。

ミアは女王になるため急遽花婿探しを行う。いい花婿候補者も見つかりすべてが丸く収まると思われたころ、渦中の甥っ子がミアに接近し、二人はただならぬ関係になっていく。

 

感想

サクセス・ストーリーとして完成していた前作とは異なり、今作はスピンオフとしての要素が強めの作品となっている。主には前作で描き切れなかったミアのジェノヴィア女王即位に関する話や、クラリス女王と付き人ジョーの恋の模様が描かれている。

 

気になったのはミアの性格がかなり変わってしまっている点だ。前作でも、初め人前で話そうとすると極度の緊張から吐き気をもよおすほどの内向的な性格が終盤では180度変わっていてたが、今回も180度変わった後の性格が引き継がれ、まるで内気だった設定はなかったかのようになっている。

ただこの勝気な性格は『プラダを着た悪魔』や『マイ・インターン』でも引き継がれているので、アン・ハサウェイの魅力をもっとも引き出す性格だったのかもしれない。

 

さてこの映画の一番の見どころはジュリー・アンドリュースの美声を聞ける点ではないだろうか。『メリー・ポピンズ』や『サウンド・オブ・ミュージック』といった名作で歌唱を披露してきたジュリー・アンドリュースの歌声を聞くことのできる貴重な機会となっている。

しかし実はこの時、彼女の声は万全のものではなかった。1997年に行ったのどの手術の影響で、もともと4オクターブあった声域が大きく縮小してしまっていた。そのため今作での歌唱も音域の狭い曲でのものになってはいたが、内からあふれるオーラや存在感は変わらぬままで、印象的なシーンとなっている。

 

全体としてはアメリカ映画らしい大団円で終わる、シンプルに見ていて楽しい作品になっていた。気軽な気分で見られるので、『プリティ・プリンセス』を見た人はぜひ見てほしい。