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【絵画の解説】レンブラント《ベルシャザルの饗宴》【ロンドン・ナショナル・ギャラリー】

オランダ黄金期の画家であるレンブラントはさまざまなジャンルの絵画を手掛けたことで知られています。

 

今回は西洋絵画の王道、宗教画を扱っていきます。モチーフを知ることでぐっと作品を楽しめるようになります。 

この記事を読めば、 「ベルシャザルの饗宴」とは何なのか分かるようになります

 

「ベルシャザルの饗宴」とは?? 

①「ベルシャザルの饗宴」とは??
② バビロン捕囚と「ダニエル書」
③ 描かれている言葉の意味は

 

レンブラント《ベルシャザルの饗宴》

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《ベルシャザルの饗宴》 1635年 ロンドン・ナショナル・ギャラリー

 

「ベルシャザルの饗宴」とは??

「ベルシャザルの饗宴」は旧約聖書「ダニエル書」5章に出てくるエピソードです。

*ベルシャザルの饗宴
新バビロニアの王子ベルシャザルはエルサレムの神殿を破壊、略奪した金銀の器を使って豪華な饗宴を開いていた。すると突然人間の手があらわれ、壁に文字を残していった。
多くの賢者が解読を試みたが失敗し、ユダヤ人のダニエルがこれを読み解いた。

 新バビロニアとは古代オリエント(現在のイラクあたり)に実際に存在した国で、「バビロン捕囚」(次項でくわしく説明)したことが特に有名です。

 

王子ベルシャザルは新バビロニア最後の王ナボニドゥスの子供で、首都であったバビロンの統治を任されていました。

 

 

バビロン捕囚と「ダニエル書」

「ダニエル書」は旧約聖書の一書で、主人公ダニエルがバビロン捕囚されてからの出来事が語られています。(ただし一部史実と異なる)

 

「バビロン捕囚」とはヘブライ人(ユダヤ人)の国であったユダ王国が新バビロニアのネブカドネザル2世に滅ぼされ、バビロニア地方に強制移住させられた出来事です。初めはすぐ戻れると楽観視していた捕囚民たちでしたが、実際には半世紀にもわたる暗い時代の幕開けになりました。

 

バビロン捕囚約50年後、新バビロニアがアケメネス朝ペルシアによって滅ぼされると、ついにユダヤ人たちは帰還することが許されました。こうしてつらい時代を乗り越え故郷にもどったユダヤ人たちはユダヤ教を確立します。

ユダヤ教はこのような経緯を経て成立したため、選民思想(ユダヤ人だけが神に救われる)がその特徴として色濃くでているのです。

 

 

描かれている言葉の意味は

さてこの絵画で描かれている文字はどのような意味なのでしょうか。

書き起こすとヘブライ語で「מנא מנא תקל ופרסין‬」(ヘブライ語は右から左に読む)となり、読みは「メネ、メネ、テケル、ウパルシン」となります。

 

意味は「神があなたの治世を数えて、これをその終りに至らせた。(メネ)あなたがはかりで量られて、その量の足りないことがあらわれた。(テケル)あなたの国が分かたれて、メデアとペルシャの人々に与えられる。(ぺルス)」、すなわち「神はあなたに王としての資格がもはやないと判断した、国はメディア・ペルシアの人々に分け与えられるだろう」という意味になります。この文章は「王の終わりを告げるメッセージ」なんですね。

 

その夜ベルシャザルは殺されてしまいました。

 

 

おわりに

聖書や歴史を知るとより絵画を楽しむことができます。

古代オリエントは固有名詞が多くわかりにくいですが、ロマンあふれる時代でもあります。もし勉強するならば高校世界史のテキストからがお勧めです。

 

まとめ

①「ベルシャザルの饗宴」とは旧約聖書「ダニエル書」のエピソード
②バビロン捕囚がユダヤ教に影響を与えた
③描かれている言葉の意味は「王の終わりを告げるメッセージ」

 

 

今回紹介したレンブラント《ベルシャザルの饗宴》はロンドン・ナショナル・ギャラリー展で楽しむことができます!!

もし今回この作品に興味を持たれましたら実際に見てみることをおススメします!!

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

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会場:国立西洋美術館(東京都)

開催期間: 2020/03/03(火) 〜 2020/06/14(日)

開館時間:9:30 〜 17:30(金・土曜日は20:00まで)

休館日:月曜日(但し3/30、5/4は開館)

(詳しくは公式HPをご覧ください)

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展|国立西洋美術館

 

 

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