本と絵画とリベラルアーツ

※弊サイト上の商品紹介にはプロモーションが使用されています

教養として知っておきたいルネサンス期の絵画5選

西洋絵画と言われた時、どんな絵画や画家が思いつくでしょうか。

 

ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」、「最後の晩餐」やラファエロの「アテナイの学堂」がまず出てくる人が多いかと思います。

身近なところだと、これらの絵はサイゼリヤでも見ることができますね。

これらはルネサンス期の作品です。

 

ルネサンスはフランス語で「再生」を意味します。

19世紀のフランスの歴史家ミシュレによって初めて使われ、その後ブルクハルトによって広められました。

 

ここでの再生とは、ローマ帝国滅亡後、古代ローマ・ギリシア文化の破壊が破壊された中世を「暗黒時代」と呼ぶのに対して、大航海時代に続いて起こった西洋古典の復興を「再生」という言葉を用いて表しています。

ローマ・カトリックの支配下にあった中世ヨーロッパでは、芸術さえもキリスト教のためのものでした。

ルネサンス期においてもカトリック教会の力が完全に衰えたわけではありませんでしたが、遠近法など、神の視点から脱却した技法の発展もみられました。

ルネサンスを近代の始まりだと考える人もおり、世界史の出来事の中でも重要なもののひとつです。

 

イタリアから始まったルネサンスは、次第に北に向かって広がっていきました。

ドイツやネーデルラント(現在のオランダ・ベルギー)で花開いたルネサンスは北方ルネサンスと呼ばれ、宗教改革とも結びつくようになります。その後はスペインに波及し、バロック美術につながっていきました。

 

以下では大人ならぜひ知っておきたいルネサンス期に活躍した 5人の画家の作品を紹介します。

 

  • ジョット・ディ・ボンドーネ「東方三博士の礼拝」

f:id:K_ArtforB:20190303204646j:plain

 ジョットは後期ゴシックに分類されるフィレンツェの画家で、ルネサンスへの橋渡し的役割を果たしました。

初期の透視図法(見えるものをそのまま描く技法)を用いたうちの一人でもあります。

この作品はスクロヴェーニ礼拝堂に描かれた37つの場面の一つで、ジョットの絵で最も有名なものです。

この絵の中ではベツレヘムの星が彗星のように描かれています。

これはジョットが1301年に実際に見たハレー彗星にインスピレーションをうけたと考えられています。そのため1986年にハレー彗星観測のために打ち上げられた探査機は、この絵にちなみジョットと名付けられました。

 

  • サンドロ・ボッティチェリ「春」

f:id:K_ArtforB:20190303204655j:plain

ボッティチェリの名前は聞いたことなくとも、この絵を見たことある人は多いのではないでしょうか。

ボッティチェリは本名ではなく、兄の体型からつけられたあだ名で、本名はアレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピといいます。

今でこそ世界で知られた画家になりましたが、19世紀頃までは無名の画家でした。19世紀にラファエル前派によって注目され、世間に広く知られるようになりました。

ダ・ヴィンチの友人であったことでも知られます。

 

  • ピーテル・ブリューゲル「農民の踊り」

f:id:K_ArtforB:20190303204706j:plain

 ブリューゲル一家は多くの画家が出ていることで知られています。この絵を描いたピーテル・ブリューゲルはその祖ともいえる存在で、他の家族と区別するために父ブリューゲルと呼ばれることもあります。

従来絵画は貴族のもので、題材に選ばれるのはギリシア神話や聖書の物語でした。ネーデルラントでこのような絵が描かれたことから、北方欧州が人文主義や宗教改革の影響を強く受けていたことがうかがえます。

数年前のセンター試験にも出題された有名な絵です。

 

  • ミケランジェロ「最後の審判」

f:id:K_ArtforB:20190303204710j:plain

 バチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂の壁に13.7m×14mにわたり描かれている巨大な宗教画。

先ほどの「農民の踊り」とは打って変わって、カトリック全開の作品です。ローマ・カトリック教会の威光がいかんなく発揮されています。

総勢400名以上の人物が描かれ、地獄側にいるバルトロマイはミケランジェロの自画像だと言われています。

 この絵にはもともと多くの全裸の人物が描かれていました。これに怒ったローマ教皇はミケランジェロに描きなおしましたが、ミケランジェロはこれを拒否。結局弟子のダニエレがノミで削り腰布を描きたしましたが、このせいでダニエレは腰布画家と揶揄されるようになってしまいした。

 

  • レオナルド・ダ・ヴィンチ「モナ・リザ」

f:id:K_ArtforB:20190303204716j:plain

世界で最も有名な絵ともいわれる「モナ・リザ」。見たことない人はいないでしょう。

モデルは諸説ありましたが、現在ではリザ・デル・ジョコンドが有力だとされています。

「モナ・リザ」という名前は後からつけられたものです。モナというのが英語のマダムにあたる語で、モナ・リザではリザ夫人を意味します。

フランスやイタリアでは夫フランチェスコ・デル・ジョコンドから「ラ・ジョコンダ」呼ばれています。

 

 

ルネサンスは革新の時代のため、ヨーロッパ各地でバリエーション豊かな芸術が数多く創作されました。またダ・ヴィンチやラファエロなどの芸術史に残る巨匠も多く登場し、ひとつの黄金時代が築き上げられました。

西洋絵画になじみのない人や、これから勉強していきたいという人はルネサンスから勉強してみてはいかがでしょうか。